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連載|OPINION

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『連載|OPINION 社会のココを深く掘る。』は、社会にある様々なテーマにスポットライトを当てて、第一人者などに頭の中にある考えを聞きにいくインタビュー企画です。
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2019年5月の記事一覧

中国経済の行方と日本企業の勝機|ジェトロ・アジア経済研究所 上席主任調査研究員・大西康雄  第1話

取材・文/大橋史彦、編集/ロボティア、FOUND編集部 2018年の訪日中国人観光客数は、838万100人でした(日本政府観光局(JNTO)の発表)。いっときと比べれば“爆買い”が縮小し、消費額が落ちているものの、前年比13.9%増というこの数字、これだけ多くの中国人が訪れれば経済効果は小さくないはずです。 にもかからず日本では、米中貿易摩擦に対する懸念から、中国の景気減速を強調したり先行きを不安視する報道が目立ちます。 また、中国の2018年の実質国内総生産(GDP)

お互いを尊重しあうことに、価値が置かれています|GIRLS’ TREND 研究所・稲垣涼子 後編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) トレンドが広まる最大のツールはSNS、という意見に異論を挟む人はいないと思うぐらい、流行とSNSは大きく結びついています。 果たして、トレンドを追いかけているプロは、どういう部分に目をつけているのでしょうか? 最終回の今回も、GIRLS’ TREND 研究所の稲垣所長にお話をうかがいました。 稲垣涼子(いながき・りょうこ) フリュー株式会社「GIRLS'TREND 研究所」所長。大阪教育大

「カリスマ一極集中」の時代ではない|GIRLS’ TREND 研究所・稲垣涼子 中編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 「時代の流行は女性が作る」と言われるほど、昔から女性は流行に敏感で、流行を生み出す旗振り役を担ってきました。 今回は、「女性のトレンドのつかみ方」について、GIRLS’ TREND 研究所の稲垣所長にお話を伺いました。 稲垣涼子(いながき・りょうこ) フリュー株式会社「GIRLS'TREND 研究所」所長。大阪教育大学大学院教育学研究科数理情報コース修士課程修了。フリューにて、プリントシール

「自分らしさ」が認められる時代|GIRLS’ TREND 研究所・稲垣涼子 前編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 1990年代、2000年代に日本の消費やカルチャーの先頭を走っていたガールズ文化。いまだにその影響力は無視できません。 しかし現在、そのカルチャーはどうなっているのか。影響力は?そして新しい時代のガールズ像は?となると、門外漢にはうかがい知れません。 しかし、そのガールズ文化を長く研究している機関がありました。その名も『GIRLS’TREND(ガールズトレンド) 研究所』です。 今回、長き

敵が最大の味方になる時がある|元東レ経営研究所所長・佐々木常夫 第5話

取材・文・編集/設楽幸生(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄 働き方改革についての5回の連載も、本日で最終回になりました。 結局色々なアイデアやプランであっても、最終的には人間関係の円滑さが大切とのこと。 最終回は人間関係の中でも、特に上司との付き合いにフォーカスを当てて、その対処法を語っていただきます。 佐々木常夫(ささき・つねお) 1969年東京大学経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子どもを持つ。 しばしば問題を起こす長男の世話、加えて肝臓病と

信頼関係が、仕事の効率化を産むんです|元東レ経営研究所所長・佐々木常夫 第4話

取材・文・編集/設楽幸生(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄 徹底した効率化で、 「定時に帰れて、結果を出す」 組織を作ってきた佐々木さんですが、「人を思いやる」ことが、効率化の近道になると説きます。 「思いやり」と「効率化」は一見シンクロしない言葉ですが、その真意は何でしょうか? 「働き方改革の第一人者」に、本当の働き方改革について迫るシリーズ、4日目です。 佐々木常夫(ささき・つねお) 1969年東京大学経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子ども

効率の良い組織に必要なこと|元東レ経営研究所所長・佐々木常夫 第3話

取材・文・編集/設楽幸生(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄 前回は働き方を変えるための、さざまな仕事術について教えていただきました。 今回も、佐々木さんの経験を踏まえた、働き方改革に役立ちそうなお話をうかがっていきます。 佐々木常夫(ささき・つねお) 1969年東京大学経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子どもを持つ。 しばしば問題を起こす長男の世話、加えて肝臓病とうつ病を患った妻を抱え多難な家庭生活。一方、会社では大阪・東京と6度の転勤、破綻会社の

効率化のための10のヒント|元東レ経営研究所所長・佐々木常夫 第2話

取材・文・編集/設楽幸生(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄 前回「働き方改革の第一人者」である佐々木常夫さんに、「働き方改革」の奥にある「生き方」の変革が大切である、ということをうかがいました。 今回は、佐々木さんは現役時代にどんなことを意識して、効率よく働いて結果を出し続けてきたのか?についてお話をうかがいます。シリーズ全5回の2回目スタートです。 佐々木常夫(ささき・つねお) 1969年東京大学経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男を含め3人の子どもを持つ。

全ての残業が「悪」ではない|元東レ経営研究所所長・佐々木常夫   第1話

取材・文・編集/設楽幸生(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄 平成30年7月6日に公布された「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」により、長時間労働の減少や非正規雇用の廃止、多様性のある働き方を推進させる、通称「働き方改革」のムーブメントが動き始めました。 しかし、企業の現場では、実際に働き方改革はどのぐらい意識され、実践されているのでしょうか? 今回、お話をうかがったのは、元東レ経営研究所の所長で「働き方改革の第一人者」と呼ばれる・佐々木常夫さんで

手術支援ロボット「ダヴィンチ」の現在と未来| ロボット手術支援センター長 大野芳正 第2話

取材・文/河鐘基(ロボティア)、写真/荻原美津雄、取材・編集/鈴木隆文(FOUND編集部) 第一話のインタビューでは、ダ・ヴィンチのこれまでとこれからが明かされました。米国で1999年に製品開発されてから20年の時を経て、ようやく日本にも根付いた感のある手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」。 既に活用されている泌尿器科、婦人科、消化器外科をはじめ、これからは呼吸器外科、耳鼻科でも活用が期待されていることがわかりました。 ロボット手術の保険適用については、健康保険が使える範囲

手術支援ロボット「ダヴィンチ」の現在と未来|  ロボット手術支援センター長 大野芳正 第1話

取材・文/河鐘基(ロボティア)、写真/荻原美津雄、取材・編集/鈴木隆文(FOUND編集部) 先進国における高齢化、また新興国における医療水準向上への需要の高まりなどを受け、医療機器市場の成長が期待されています。日本の医療機器市場は、約20年の間、2兆円前後を横ばいで推移。 2016年には、過去最高となる2.9兆円を記録しました。同年の日本の医療費は42.1兆円ですが、医療機器市場が占める割合はそのうち約7%とされています。 医療機器には実にさまざまな種類が存在しますが、

中国経済の行方と日本企業の勝機|ジェトロ・アジア経済研究所 上席主任調査研究員・大西康雄  第2話

米国と中国での貿易摩擦などはあるものの、中国経済は未だに勢い、存在感が高いというお話を大西康雄氏(ジェトロ・アジア経済研究所 上席主任調査研究員)から聞くことができました。 第2話では、その中国経済の中身について、内側の事情にスポットライトを当てて紹介することにしましょう。 「中立的で」が取れて「穏健」が強調される金融政策「中国経済がクールダウンしている」という指摘が当たっているかどうかはさておいて、2018年は中国で流行語のように言われている言葉があります。"消費降級(

どうなる? これからの男の美意識と、メンズコスメ市場の未来|ビューティーサイエンティスト・岡部美代治 第2回

文・取材/ 楯雅平(ロボティア)、写真/荻原美津雄 、編集・取材/鈴木隆文(FOUND) 男性向け化粧品の開発とマーケティングに長年携わってきた専門家から学ぶインタビュー。前回は、メンズコスメの機能や、利用者である男性の意識の移り変わりについて聞きました。 後編となる今回は、プロ目線でメンズコスメの良し悪しを判断するポイントやマーケットの将来性、日本企業が海外市場に打って出る意味などについて、引き続き岡部さんにお話しをしていただきます。 お客さんの悩みに寄り添うことが大

これからの外食産業に必要なこと|亜細亜大学経営学部 横川潤 第4話

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 3回にわたって外食産業業界に詳しい横川先生に、業界の「過去と今」について語っていただきました。 決して明るい話ばかりではありませんでしたが、この先の未来はどうなのでしょうか? 最終回は外食産業の未来について語っていただきます。 横川潤(よこかわ・じゅん) 1962年長野県諏訪市で生まれ、東京都国立市で育つ。亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科教授。慶大法学部法律学科卒、同大学