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連載|OPINION

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『連載|OPINION 社会のココを深く掘る。』は、社会にある様々なテーマにスポットライトを当てて、第一人者などに頭の中にある考えを聞きにいくインタビュー企画です。
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2019年6月の記事一覧

サードウェーブのルーツは「喫茶店文化」?|タリーズコーヒージャパン創業者 松田公太 前編

1960年代に始まったインスタントコーヒーの普及、70年代に起きた喫茶店ブームを経て、90年代半ばのカフェブームにより、コーヒーは日本人の生活にすっかり定着しました。 中でも90年代後半に登場した「タリーズ」や「スターバックス」といった米国シアトル発の「スペシャルティコーヒー」は、コーヒーに対する日本人の意識を変えてくれました。 そしてここ数年、「サードウェーブ」「フェアトレード」といった流れが現れ、新たな局面を迎えつつあります。 日本のコーヒーはこれからどこへ向かい、

東南アジアの最注目国・インドネシアの“今”を聞く|JETRO・佐藤百合氏インタビュー・後編

政治の安定や人口の適度な増加により、今後、世界屈指の経済規模をもつ国への成長が期待されるインドネシア。佐藤氏はインドネシア国内の状況の変化を注意深く見守りつつも、国内の人々のメンタリティーは非常に前向きで希望に溢れていると話します。 では、インドネシアはどのような国なのか、また日本からすると両国の関係はどのような形が望ましいのか。第一線で活躍する研究者である佐藤氏に引き続き聞いてみたいと思います。 戦争の傷跡は今なお残るインドネシアと日本の歴史をみる際、欠かせないのが「占

東南アジアの最注目国・インドネシアの“今”を聞く|JETRO・佐藤百合氏インタビュー・前編

約17500の島々で形成された東南アジア国・インドネシアは、人口のおよそ9割がイスラム教徒である「イスラム大国」です。 1945年8月17日に独立を宣言し、現在では総面積約189万km² (日本の約5倍)に約2.55億人(2015年:インドネシア政府統計)が暮らすと言われており、経済的にも成長を遂げてきている国の1つです。 もちろん、日本からも様々な会社が進出をしています。しかし「インドネシア」と聞いても、「バリ島」以外のことを語れる日本人はそう多くはいないのではないでし

安全な健康食品とは?| 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事 宇野 文博 後編

前回は、日本人の健康リテラシーの低さについてお話をお聞きしました。 テレビなどで健康に関する番組が多いので、てっきりわれわれ日本人は健康についてリテラシーが高いかと思っていたら、世界基準ではとてもレベルが低いことに驚かされました。 最終回の今回は、我々日本人は、これから健康食品とどう付き合っていけばいいのでしょうか? そのヒントとなる「健康食品市場の未来」についてお聞きしたいと思います。 前回と同様、一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理

大丈夫か?日本人の健康リテラシー| 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事 宇野 文博 中編

前回は、「そもそも健康商品とは何か?」についてお話を伺いました。 今回は日本における健康食品の問題点について、前回と同様、一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事・宇野文博さんに、お話をお聞きします。 宇野 文博(うの・ふみひろ) 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事 株式会社同文書院代表取締役 慶應義塾大学法学部卒業(1983)。ニューヨーク大学大学院スターンスクールMBA修得(1989)。凸版印刷アメ

そもそも、健康食品って?| 一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事 宇野 文博 前編

「健康食品」業界は、健康に対する関心の高まりや高齢化の進行にともない、市場が大きく成長しました。テレビなどでも盛んに宣伝されています。 しかし「じゃあ健康食品ってなんなの?」と考えだすと、サプリメントみたいには簡単に飲み下すことはできません。 いったい食べ物なのでしょうか、薬なのでしょうか? 本当に体に良いのでしょうか? そして、「健康食品」市場の将来性は? そんな健康食品についてお詳しい、一般社団法人日本健康食品・サプリメント情報センター(Jahfic) 理事・宇野

目先の結果ばかりに囚われてはいけない|慶應義塾大学大学院理工学研究科・鹿野豊 後編

前回、鹿野先生に、 「ハードウェアーの開発も大切だけれど、ニーズを探すのもとても大切だ」 というお話を聞きました。 この「ニーズを探す」というのは、誰がどうやって探せばいいのでしょうか? やはりここも専門家の手に委ねればいいのでしょうか? 人工知能と量子コンピューター、いよいよ連載最終回です。 鹿野豊(しかの・ゆたか) 慶應義塾大学大学院理工学研究科 特任准教授。1984年神奈川県生まれ。2011年東京工業大学大学院理工学研究科基礎物理学専攻博士課程修了。博士(理学)

超高速のパソコンを何に使うかが問題だ|慶應義塾大学大学院理工学研究科・鹿野豊 中編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 量子コンピュータと人工知能に関するこの連載、前回のインタビューでは、量子コンピューターを動かしている「量子とは何か?」を中心にお聞きしました。 今回は、2度にわたって起こった「量子コンピュターブーム」の第二期についてお聞きしたいと思います。 前回に引き続き、慶應義塾大学の鹿野先生にお話をうかがいます。 鹿野豊(しかの・ゆたか) 慶應義塾大学大学院理工学研究科 特任准教授。1984年神奈川県

物理が苦手な人のための、量子コンピューター入門|慶應義塾大学大学院理工学研究科・鹿野豊 前編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 今、世間では、人工知能や機械学習、そしてディープラーニングなどの分野に注目が集まっています。 そんな中で関心が高まっているのが、「量子力学」という学問を利用した「量子コンピューター」というデバイスです。 なんだか一見難しそうな話に聞こえるかもしれません。取材前の私もそうでした。 しかし取材を終えてから、「量子コンピューター」は、単に頭のいい学者や研究者の中だけで語られるものでは決してなく、

日本人は、バフェットに学べ|経済・経営ジャーナリスト・桑原晃弥 後編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 世界一の投資家、ウォーレン・バフェットについての連載も、いよいよ最終回です。 今回は、私たちがバフェットから学べることについて、投資をしている人もそうでない人も参考になりそうな話をうかがいました。 前回に引き続き、バフェットを研究している経済・経営評論家の桑原晃弥さんにお話を聞きました。 桑原 晃弥(くわばら てるや)  1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。

投資に大切な「能力の輪」とは?|経済・経営ジャーナリスト・桑原晃弥 中編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 世界中の有能な経営者から尊敬の念を集める投資家、ウォーレン・バフェットは、ただのお金持ちではなく、メンター的な側面も持っていることを前回学びました。 今回はどんな話が聞けるのでしょうか? 今回も、バフェットに詳しい桑原晃弥さんにお話を伺いました。 桑原 晃弥(くわばら てるや)  1956年、広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。トヨタ式の普及で有名な若松義人氏の会社の顧

ウォーレン・バフェットとは何者か?|経済・経営ジャーナリスト・桑原晃弥 前編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) ウォーレン・バフェット──投資になじみのない方には、聞いたことがない名前かもしれません。 約50年前に、倒産寸前の繊維会社を買収し、2019年4月現在で時価総額5200億ドル*にまで成長した会社の会長兼CEOで、今年(2019年)で89歳になります。(*参考URL) そんな大会社の会長さんと聞くと、さぞかし大金持ちで優雅な暮らしをしている大富豪、金の亡者で資本主義経済の権化、のような存在をイ

回転寿司業界が成長するのに大切なこと |回転寿司評論家・米川伸生 後編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 今や回転寿司屋の前に並んでいるのは、日本人よりも外国人観光客のほうが多いのでは?と思うぐらいお寿司は海外の観光客に大人気です。 「外国の人は、生の魚は食べない」なんて数十年前は言われていましたが、世界的な日本食ブームが沸き起こっている昨今、それは遠い昔の話のようです。 さて今回は、インバウンドと回転寿司について、お話をうかがいたいと思います。 米川伸生(よねかわ・のぶお) 回転寿司評論家。

美味しい寿司の裏側にある企業努力 |回転寿司評論家・米川伸生 中編

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 前回は、回転寿司業界のイノベーションについてうかがいました。 今回は、回転寿司のお金と経営を中心に語っていただきます。 前回と同じく、回転寿司評論家の米川伸生さんにお話をうかがいました。 米川伸生(よねかわ・のぶお) 回転寿司評論家。2007年テレビ東京「TVチャンピオン2」回転寿司通選手権王。「回転寿司はアミューズメントパークである!」をモットーに日々、全国各地の回転寿司店を駆け巡ってい