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連載|OPINION

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『連載|OPINION 社会のココを深く掘る。』は、社会にある様々なテーマにスポットライトを当てて、第一人者などに頭の中にある考えを聞きにいくインタビュー企画です。
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2019年7月の記事一覧

長寿企業はビジョナリーカンパニー である|グロービス経営大学院 経営研究科 田久保 善彦・後編

長寿企業について迫るこの連載も、いよいよ最終回を迎えました。 今回は「長寿企業」が長寿企業たるゆえん、その秘密と奥にあるアイデンティティーについて探っていきたいとおもいます。 今回もグロービス経営大学院の田久保先生にお話をうかがいます。 田久保 善彦 グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長 慶應義塾大学理工学部卒業、修士(工学)、博士(学術)、スイスIMD PEDコース修了。三菱総合研究所にて研究、コンサルティング業務に従事。現在グロービス経営大学院の経営に携わる傍

組織工学で新しい心臓と社会をつくる!? 再生医療のスペシャリスト・清水達也氏・第2話

組織工学で人間の組織を再構築する――。 そんな最先端の研究・開発の動きは世界各国で始まっています。清水氏ら研究チームも、いずれ「臓器移植ゼロ」を目標に掲げて日夜、研究に取り組んでいると言います。 ただ新しい再構築技術が開発されたとしても、新たな臓器の品質を保ったままどのように低コストに量産・保存するかなどビジネス的側面、もしくは人間の細胞を活かした新たな臓器が法律的・倫理的に社会に受け入れられるのか、はたまた社会的に研究資金をいかに捻出していくかなどなど、各方面で課題は山

組織工学で新しい心臓と社会をつくる!?|再生医療スペシャリスト・清水達也・第1話

命を繋ぐ新しい技術として注目される再生医療は、人間の身体にもともと備わっている、ケガや病気を自ら治す「再生力」を利用した先端医療のひとつです。人間の身体には約60兆個の細胞があります。 なかでも、「体性幹細胞」「ES細胞」「iPS細胞」など、組織や臓器になりうる未分化な細胞である「幹細胞」は、現時点、また将来的に再生治療への応用が大いに期待されています。 そこで今回、再生医療のエキスパートである東京女子医科大学・先端生命医科学研究所の清水達也教授にお話しをお伺いすることに

我々の知らない、日本のいいところを探る|インバウンド評論家・中村正人 第4回

インバウンドの現在と問題点、そしてこれからのインバウンドについて、評論家の中村さんにお聞きする連載もいよいよ最終回。 今回は外国の人に、「正しい日本を見せる方法」を伝えるために大切なことは何か?について語っていただきます。 中村正人(なかむら・まさと) インバウンド評論家。2000年代初めより訪日外国人市場の動向を追い、各種メディアに執筆、関連著作多数。主な著書は「『ポスト爆買い』時代のインバウンド戦略」(2017扶桑社)、「爆買いの正体」(鄭世彬氏との共著)(2016飛

国際親善のために必要なインバウンド|インバウンド評論家・中村正人 第3回

急成長を遂げている外国人観光客の消費額は、これからも引き続き成長するのでしょうか? 3回目の本記事は、右肩上がりで湧く日本の観光業における問題点について迫ってみます。 中村正人(なかむら・まさと) インバウンド評論家。2000年代初めより訪日外国人市場の動向を追い、各種メディアに執筆、関連著作多数。主な著書は「『ポスト爆買い』時代のインバウンド戦略」(2017扶桑社)、「爆買いの正体」(鄭世彬氏との共著)(2016飛鳥新社)。ネット連載にForbes Japan 、個人ブ

まだまだ伸びる外国人観光客|インバウンド評論家・中村正人 第2回

前回は、中国の方々の「面子」についてお話を聞きました。 今回はインバウンドが急激に増えた、その背景について迫りたいと思います。 前回に続き、インバウンド評論家の中村正人さんからお話を聞きました。 中村正人(なかむら・まさと) インバウンド評論家。2000年代初めより訪日外国人市場の動向を追い、各種メディアに執筆、関連著作多数。主な著書は「『ポスト爆買い』時代のインバウンド戦略」(2017扶桑社)、「爆買いの正体」(鄭世彬氏との共著)(2016飛鳥新社)。ネット連載にFo

中国人の「面子」って何だ?|インバウンド評論家・中村正人 第1回

銀座や新宿、横浜や大阪、京都や札幌や福岡……。今日本中の主要な都市に行くと、外国人観光客でごった返しています。 先日京都に行った時は、日本人よりも圧倒的に多くの外国人が駅のホームに溢れていました。 「インバウンド」の恩恵を受け、観光業やサービス業、飲食業やお土産やさんが儲かっている、という話を聞きます。 ここでみなさんに質問です。 「インバウンド」って一体何でしょうか? これからずっと続くのでしょうか? 今回はインバウンドについての著書も手がける、インバウンド評論

個人の挑戦という局面では、謎の自信は使える|厚切りジェイソン・第2話

前編では最近、ジェイソン氏の「挑戦」をテーマにした講演会などが大人気だというお話をお伺いしました。 米国と日本の挑戦に対する考え方の差と言うと大袈裟かもしれませんが、すべてを投げ出す「腹切り型の挑戦」と、失敗や余力を考慮した次に繋がる「賢い挑戦」があるというのは、気づきの多い指摘でした。 後編では、日本社会が「働き方改革」など社会としての挑戦を上手く成功させるためにはどうすればよいか、ジェイソン氏の意見を伺います。 数年、数十年の重み成功を勝ち取るため挑戦を続けるジェイ

「身を滅ぼす挑戦」ではなく「賢い挑戦」がある|厚切りジェイソン・第1話

「WHY JAPANESE PEOPLE!?」の決め台詞と、日本の文化を独特の感覚で笑いに落とし込んだ芸風で一斉を風靡した厚切りジェイソン氏。R1グランプリなどで披露された「漢字ネタ」「ことわざネタ」で、お腹を抱えて笑った人も少なくないはずです。 そんなジェイソン氏は現在、英語教育番組「えいごであそぼ with Orton」で子供やお母さんの人気ものに。英語学習のための書籍も多数執筆しています。また、芸人だけでなくIT企業の重役としても成功を収めてきた経験をベースに、語り手

日本人が意外と知らない温泉の歴史と未来 温泉専門家・石川理夫氏インタビュー・後編

傷や病気を癒す湯治の場、また人が集まる「宗教的聖地=パワースポット」としての歴史を紡いできた温泉は、同時に周辺に住む人々の生活や藩を支える収入源でもありました。 前編では、日本における温泉の歴史、世界の温泉事情を俯瞰しましたが、後編では「温泉とお金」の関係についてもう少し踏み込んでみましょう。 石川氏は、日本人が温泉を訪れる観光のカタチは、バブルの崩壊ととともに、団体客・企業主導型・男性主導型から女性主導型へ、また団体から個人・家族・グループ型へ変遷を遂げたと説明します。

日本人が意外と知らない温泉の歴史と未来 温泉専門家・石川理夫氏インタビュー・前編

世界の温泉の歴史を数千年前にまで遡って調査を進めてきた石川氏。日本の温泉にはもともと、「娯楽」や「慰安」という用途以外にも、「宗教的な聖地」としての存在意義があったと説明します。 自然が与えてくれた恵みであり奇跡であった温泉は、人々の崇拝と愛を集める“特別な場所”だったのです。 ■ 話を聞いた人 石川理夫(いしかわ・みちお)氏 宮城県仙台市生まれ。東京大学卒業後、出版社勤務を経て起業。世界各地の温泉を調査した知見をもとに温泉評論家に。日本温泉地域学会会長。著書に『温泉の

コーヒーは人と人をつなぐ|タリーズコーヒージャパン創業者 松田公太 後編

コーヒーに関するお話を、タリーズ・ジャパン創業者の松田公太さんにお聞きしているこの連載も、最終回となりました。 今回はコーヒービジネスで大切なことを中心に、お話をうかがいたいと思います。 松田 公太(まつだ・こうた) 前参議院議員 タリーズコーヒージャパン創業者 1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。 90年筑波大学卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャパン(株)設立。200

日本におけるコーヒー文化の進化|タリーズコーヒージャパン創業者 松田公太 中編

前回は最近流行っている「サードウェーブ」についてお聞きしました。 今回は、少々視点を過去にずらして、日本で展開する様々なコーヒーショップのブランディングなどについて、前回同様松田公太さんにお話をうかがいます。 松田 公太(まつだ・こうた) 前参議院議員 タリーズコーヒージャパン創業者 1968年生まれ。5歳から17歳までの大半を海外で過ごす。 90年筑波大学卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)を経て、97年にタリーズコーヒー日本1号店を創業。翌年タリーズコーヒージャ