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連載|OPINION

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『連載|OPINION 社会のココを深く掘る。』は、社会にある様々なテーマにスポットライトを当てて、第一人者などに頭の中にある考えを聞きにいくインタビュー企画です。
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人工生命がつくる、ほんとうのユートピア?|第4話: 東京大学広域システム科学系教授/人工生命研究者・池上高志教授

文/吉田真緒、写真/荻原美津雄、取材・編集/FOUND編集部 第3話では、企業や社会にとって大切な視点を人工生命の話をまじえながら語ってもらいました。今回、第4話において、池上先生は、人工生命、人工知能、そして人間や地球の運命についてまで語ってくれています。自律性を獲得した人工生命というものが存在したとしたなら、わたしたちには、どんな未来が待っているのでしょうか? 人類が生き延びればいいとは必ずしも思わない編集長: 先生が語られていた言葉で印象的だったのは「人間というのは

人工知能の先の世界をいく人工生命とは何か? Beyond AI 第1話:東京大学広域システム科学系教授|人工生命研究者・池上高志教授

文/吉田真緒、写真/荻原美津雄、取材・編集/FOUND編集部 「生命を人工的につくる」とはどういうことなのでしょうか? まさか、映画「ブレードランナー」や「ターミーネーター」に出てくる、心が宿っている(ように見える)アンドロイド? のようなものをつくるということ? そこで、人工生命の第一人者である池上高志教授に、このことについて教えてもらうことにしました。 取材を終えた後、編集長からこんな感想が。 「なにか、脳みそをかち割られる感覚を覚えた」。また、同行したFOLI

企業が見るべき、人工知能の先にあること|第3話 東京大学広域システム科学系教授/人工生命研究者・池上高志教授

文/吉田真緒、写真/荻原美津雄、取材・編集/FOUND編集部 コンピューターにできないのは、長く生きようとすること編集長: 人間にできてコンピューターにできないことのひとつに、“直感”があるのではないかな、と思います。直感も人工生命の研究対象になるのでしょうか? 池上: どうでしょう。直感って答えがまったくないところに急に浮かぶのではなく、既にある膨大なデータのなかから、どうやって答えへの道筋をつくるかという問題に僕には思える。 だから逆に、直感に見えるものは、すぐにつ

パラダイスから地獄まで、VR教育|第3話 VR教育研究センター機構長・廣瀬通孝教授 インタビュー 第3話

連載・ビジョンを触りに。|VR教育研究センター機構長・廣瀬通孝教授 目次 第1話: VR技術、それだけでは中2 病? 第2話: VR技術の魔性と、未来の価値観 第3話: パラダイスから地獄まで、VR教育 VRの専門家である廣瀬先生にその本質を訪ねる第3回となる最終回のテーマは、わたしたちが生きる社会でVRは、どのように活かされうるものなのか? というもの。 心に影響を与え、コンピュータサイエンスと心理学の間の研究が増えていくだろうと語られるVRが、社会に活用されていくの

VR技術の魔性と、未来の価値観|第2話 VR教育研究センター機構長・廣瀬通孝教授インタビュー

連載・ビジョンを触りに。 ▶ 連載目次 第1話: VR技術、それだけでは中2 病? 第2話: VR技術の魔性と、未来の価値観 第3話: パラダイスから地獄まで、VR教育 未来のビジョンを探る取材を行う本連載、VRの専門家である廣瀬先生に話を聞いたところ、VRのような技術が社会に実装されるまでは時間がかかる。 そのことをして「VR技術は、それだけでは中2病」とユニークなたとえで表現してくれました。 では、このVR技術は、私たちにどのような感覚をもたらしてくれるものなのか

VR技術、それだけでは中2病?|第1話 VR教育研究センター機構長・廣瀬通孝教授 インタビュー

連載・ビジョンを触りに。|VR教育研究センター機構長・廣瀬通孝教授 目次 第1話: VR技術、それだけでは中2 病? 第2話: VR技術の魔性と未来の価値観 第3話: パラダイスから地獄まで、VR教育 はじめまして。『FOUND』取材チームの吉田です。 この連載では、未来のビジョンを探る取材をしていきます。今回のように、最新のテクノロジーの話題が多くなってくると思います。 が、実は私は生粋の文系。大いに興味はあるものの、テクノロジーに関する専門知識はなし…。でも、そんな

会社軸ではなく自分軸で生きることが、老けこみを防ぐ?|シニアビジネスプロデューサー・村田裕之 第3話

スマート ・エイジングに欠かせない行き先と用事村田先生は脳トレのような事例を挙げつつ、スマート・エイジングの鍵は予防にあると語ります。認知症や病気、ケガの予防をし、寝たきりにならないようにすることで健康寿命を延ばすことがスマート・エイジングの肝。そして、そのために必要なキーワードが “きょういく”と “きょうよう”なのだそうです。 村田氏: 「私はシニアの皆さんに、退職したら  “きょういく”と “きょうよう”が  必要ですとお話ししています。  これは教育と教養ではあり

人生100年時代に賢く歳を重ねる方法|シニアビジネスプロデューサー・村田裕之 第2話

65歳以上人口が3,515万人を突破し、急速な高齢化が進む日本。ネガティブに捉えられることも多い高齢化を、“アクティブシニア”の誕生として新たなビジネスチャンスであると説くのが東北大学の村田裕之先生です。 中高年の女性向けフィットネスジム『カーブス』や高齢者向けの携帯電話『らくらくホン』などのヒットに関わってきた“シニアビジネスの第一人者”に健康で賢く歳を重ねるための秘訣を聞きました。 介護の苦労が、健康意識を高める事業を始めて4~5年経つとノウハウが蓄積されヒットし始め

“3つの不の解消” で 高齢社会のビジネスチャンスをつかむ|シニアビジネスプロデューサー・村田裕之 第1話

日本は高齢化社会のフロントランナーです。内閣府が発表している資料によれば、2017年における日本の総人口は1億2,671万人で、そのうち65歳以上の人口は3,515万人になるそうです。 割合で見ると27.7%が65歳以上です。さらに、2065年には38.4%が65歳以上になるとも言われています。(出典:高齢化の状況|平成30(2018)年版高齢社会白書(概要版) - 内閣府 ) 2017年 65歳以上の人口 27.7% 2065年 65歳以上の人口 38.4% 肌感覚と

テレビゲームの「本質」ってなんだ? |ゲームジャーナリスト 野安ゆきお 第3話

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 「子供がハマるものはハネる」というのがテレビゲームの鉄則。前回そんなお話を伺いました。 今回は、日本だけでなく世界的な視点で、テレビゲーム業界がこれからどうなっていくかを、ゲームジャーナリストの野安ゆきお氏にお話を伺います。 野安ゆきお(のやす・ゆきお) 1968年東京生まれ。ゲームジャーナリスト。 ファミコン時代からゲーム雑誌、ゲーム攻略本などの執筆・編集を手掛け、これまで作成したゲーム関

ビジネスチャンスは、やっぱり子どもにある | ゲームジャーナリスト 野安ゆきお 第2話

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 任天堂がゲーム映像の著作権をオープンにして、ゲーム業界は大きく変わり始めている、というお話を前回お聞きしました。 今後はどういう動きが生まれるのでしょうか? ゲームジャーナリストの野安ゆきお氏に話を伺います。 野安ゆきお(のやす・ゆきお) 1968年東京生まれ。ゲームジャーナリスト。 ファミコン時代からゲーム雑誌、ゲーム攻略本などの執筆・編集を手掛け、これまで作成したゲーム関連書籍は100

ゲーム実況解禁がターニングポイント | ゲームジャーナリスト 野安ゆきお 第1話

取材・文/鈴木俊之、写真/荻原美津雄、取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部) 日本において、テレビゲームは一つのカルチャーとして定着しました。 「ファミコン」「信長の野望」「ドラクエ」「FF」「モンハン」「パワプロ」……。 ゲームをやったことがない人でも、一度は聞いたことのあるはずです。 そんな「テレビゲーム天国」日本の「今」とそして「これから」について、ゲームジャーナリストの野安ゆきお氏に取材をしました。 野安ゆきお(のやす・ゆきお) 1968年東京生まれ。ゲーム

人類の夢・不老不死とアンチエイジング|第1話 資生堂 アドバンストリサーチセンター主幹研究員 江連智暢

取材・文/河鐘基、写真/荻原美津雄、ロボティア、取材・編集/FOUND編集部 人生100歳時代のアンチエイジングすべからくほとんどすべての生命にとって、「老い」は避けられない運命のようなものです。人類はその運命から逃れようと、太古の時代から実に多くの努力を傾けてきました。 中国の秦の始皇帝は、不老不死の霊薬を探すために数千人もの若い男女を探索に送りこみました。古代オリエント最大の文学作品とされる『ギルガメシュ叙事詩』にも、永遠の命を求める英雄たちのストーリーが描かれていま

アンチエイジングは今日も変わりつづけている|第2話 資生堂 アドバンストリサーチセンター主幹研究員 江連智暢

取材・文/河鐘基、写真/荻原美津雄、ロボティア、取材・編集/FOUND編集部 第1話での江連氏へのインタビューから、不規則な食生活、睡眠の不足、喫煙・飲酒など、正しくない生活習慣を続けることが、肌の老化に決定的に良くない、ということがわかりました。 また原因を特定して、方法的にも成分的にも、個人に合ったもので対処していく必要があることもわかったと思います。 さてでは、美容のプロフェッショナルである江連氏は、アンチエイジングという言葉をどのように理解しているのでしょうか。