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連載|OPINION

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『連載|OPINION 社会のココを深く掘る。』は、社会にある様々なテーマにスポットライトを当てて、第一人者などに頭の中にある考えを聞きにいくインタビュー企画です。
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#最先端医療

組織工学で新しい心臓と社会をつくる!? 再生医療のスペシャリスト・清水達也氏・第2話

組織工学で人間の組織を再構築する――。 そんな最先端の研究・開発の動きは世界各国で始まっています。清水氏ら研究チームも、いずれ「臓器移植ゼロ」を目標に掲げて日夜、研究に取り組んでいると言います。 ただ新しい再構築技術が開発されたとしても、新たな臓器の品質を保ったままどのように低コストに量産・保存するかなどビジネス的側面、もしくは人間の細胞を活かした新たな臓器が法律的・倫理的に社会に受け入れられるのか、はたまた社会的に研究資金をいかに捻出していくかなどなど、各方面で課題は山

組織工学で新しい心臓と社会をつくる!?|再生医療スペシャリスト・清水達也・第1話

命を繋ぐ新しい技術として注目される再生医療は、人間の身体にもともと備わっている、ケガや病気を自ら治す「再生力」を利用した先端医療のひとつです。人間の身体には約60兆個の細胞があります。 なかでも、「体性幹細胞」「ES細胞」「iPS細胞」など、組織や臓器になりうる未分化な細胞である「幹細胞」は、現時点、また将来的に再生治療への応用が大いに期待されています。 そこで今回、再生医療のエキスパートである東京女子医科大学・先端生命医科学研究所の清水達也教授にお話しをお伺いすることに

手術支援ロボット「ダヴィンチ」の現在と未来| ロボット手術支援センター長 大野芳正 第2話

取材・文/河鐘基(ロボティア)、写真/荻原美津雄、取材・編集/鈴木隆文(FOUND編集部) 第一話のインタビューでは、ダ・ヴィンチのこれまでとこれからが明かされました。米国で1999年に製品開発されてから20年の時を経て、ようやく日本にも根付いた感のある手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」。 既に活用されている泌尿器科、婦人科、消化器外科をはじめ、これからは呼吸器外科、耳鼻科でも活用が期待されていることがわかりました。 ロボット手術の保険適用については、健康保険が使える範囲

手術支援ロボット「ダヴィンチ」の現在と未来|  ロボット手術支援センター長 大野芳正 第1話

取材・文/河鐘基(ロボティア)、写真/荻原美津雄、取材・編集/鈴木隆文(FOUND編集部) 先進国における高齢化、また新興国における医療水準向上への需要の高まりなどを受け、医療機器市場の成長が期待されています。日本の医療機器市場は、約20年の間、2兆円前後を横ばいで推移。 2016年には、過去最高となる2.9兆円を記録しました。同年の日本の医療費は42.1兆円ですが、医療機器市場が占める割合はそのうち約7%とされています。 医療機器には実にさまざまな種類が存在しますが、