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会社軸ではなく自分軸で生きることが、老けこみを防ぐ?|シニアビジネスプロデューサー・村田裕之 第3話

スマート ・エイジングに欠かせない行き先と用事

村田先生は脳トレのような事例を挙げつつ、スマート・エイジングの鍵は予防にあると語ります。認知症や病気、ケガの予防をし、寝たきりにならないようにすることで健康寿命を延ばすことがスマート・エイジングの肝。そして、そのために必要なキーワードが “きょういく”と “きょうよう”なのだそうです。

村田氏:
「私はシニアの皆さんに、退職したら
 “きょういく”と “きょうよう”が
 必要ですとお話ししています。

 これは教育と教養ではありません。

 『きょういくところ』と
 『きょうのようじ』のことです(笑)。
 
 高齢者にとっては今日行く所、
 今日の用事があることが
 生きがいになり、
 外出や運動のモチベーションになります。
 
 それが、認知能力や体力の衰えを防ぎ、
 社会性を維持するためには必要なのです。

 スマート・エイジングを実現するには
 “きょういく”と “きょうよう”を
 持つようにしてください。

 ちなみに、
 高齢者向けに今日行く所、
 今日の用事を創り出せれば
 それがビジネスにもなります。
 
 例えば、西葛西のイオンでは
 朝来てラジオ体操をすると
 ポイントをプレゼント、
 朝食を食べるとさらに 
 ポイントをプレゼント、
 その後買い物をすると
 ポイントをプレゼント、
 という施策をしています。
 
 これは典型的な行き先と
 用事を作る例ですが、
 この仕組みで朝の時間帯の
 来店数が2割増になったそうです」

避けたいバッドシナリオ

高齢社会になっても、アクティブなシニアが多ければ活力のある社会になるという村田先生。

とは言え、やはり歳を重ねることの不安は変わりません。高齢者が避けるべき典型的なバッドシナリオは、どういったパターンがありますか?

村田氏:
「典型的なバッドシナリオは
 退職したら話す相手がいない、
 ろくな食事もとらない、
 家に閉じこもっている時間が長く、
 TVばかり見ている、という状態です。
 これは認知症のリスクを高めてしまう
 非常に悪いシナリオです。

 また、運動をしないのもよくありません。
 特に下半身の筋肉が衰えると
 つまずきやすくなり、
 ころんだ時に大腿骨を
 折ってしまうと重症です。
 これで寝たきりになってしまう
 ケースが多いです。
 
 もちろん、
 防ぎようのない病気やけがもありますが、
 頑張れば元気でいられる可能性は増します」

村田先生は高齢者がバッドシナリオに陥ることを防ぐためには、まず、個人の努力が必要だと言います。

それに加えて、企業が個人のスマート・エイジングを支えるような製品やサービスを提供することで、アクティブシニアが増え、社会の活力が保てると説いています。

では、そのようなスマート・エイジングを実践するために、20~60代前半の現役世代がするべきことは何でしょうか?

村田氏:
「私が書いた
 『スマート・エイジング 
    人生100年時代を
  生き抜く10の秘訣』
 
  という本が
  徳間書店から出ましたので、
  是非それをお読みください(笑)。
 
    本の内容をかいつまんで
    ご紹介しましょう。

   スマート・エイジングの基本は 
   脳と体を使う習慣をもつこと、
   そしてバランスのとれた栄養習慣と
   人とかかわる習慣を持ち続けることです」

村田先生はこのようなアドバイスに加えて、30代40代は“自分軸”で生きるスタイルをもつことが大切だと言います。

その反対は“会社軸”であり、そこを軸にしてしまったが故に退職後に一気に老け込んでしまう人が多いことが大きな問題なのだそうです。

村田氏:
「昔は大企業を勤め上げて、
 退職金をもらってリタイアするのが良かった。
 でも、いまはそんな時代ではないでしょう?

 大きな会社の部長職になって、
 タクシーチケットが
 自由に使えることがステータス。
 大事なのはそんなことではないと思います。

 人間関係や趣味、ライフスタイルなど、
 自分の軸を持って生きることが
 長い目で見ると
 スマート・エイジングの基礎になります。

 退職した後も生きがいを持って
 活動的でいるためには
 会社以外のコミュニティに属したり
 企業の役職以外の役割を
 持っておくことが重要です」

40歳で独立、今年で起業17年目という村田先生は、昔よりも今の方が起業しやすくなっているのだから、積極的に色々試行錯誤するのが良い、と激を飛ばしてくれました。

仕事からのリタイアをきっかけに火が消えたように衰えてしまうことがないよう、人生の軸を会社ではなく、自分に持つことを基本とし、会社勤めでそれが実現できないのであれば起業や独立を考える必要があるのかもしれません。

今回、シニアビジネスというテーマを通じて見えてきたのは、個人の努力と企業の取組があれば活気のある超高齢社会は実現できるかもしれないという可能性と希望でした。

そして、その実現には、会社ではなく自分を軸にして生きる個人が必要だというのは、なんだかとても深いお話しですね。

村田先生、今回はシニアビジネスとスマート・エイジングについて、たくさん教えていただき、ありがとうございました。

おわり

シニアビジネスプロデューサー・村田裕之

第1話 “3つの不の解消” で 高齢社会のビジネスチャンスをつかむ
第2話 人生100年時代に賢く歳を重ねる方法
第3回 会社軸ではなく自分軸で生きることが、老けこみを防ぐ?



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