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「株価の大幅な下落!」というニュース、 投資のプロはどう捉えるの?|資産運用の図解教室(番外編ー前編)

2018年12月、日本に襲いかかったのは「株価の大幅下落」というニュースであった。資産運用デビューしたばかりのモネは、この事態に慌てふためいているようだ。

「どうしよう、ジブンの投資している資産が、どんどん目減りしている…」落ち着いていられなくなったモネは、ブルベア先生の元を訪ねるのであった。

自分の資産が減った?

M:
先生! 聞いてください! もう大変なんですよ!

B:
お〜そんなに泣きそうな声でどうしたんだ? というか、もう泣いてるじゃないか。

M:
投資を始めたばっかりで、ワクワクしながら毎日過ごしていたんですけど、ここ最近株価がどんどん下がってるじゃないですか。ニュースを見たら今年で一番株価が下がっているって知って…。

B:
確かにな、今日(2018年12月26日)の日経平均株価の安値は18,948.58円で、今年一番の安値(年初来安値)になってしまったな。

2018年10月2日の年初来高値が24,448.07円だったから、比較すると約5,500円も下がっていることになるな。(「日経平均株価」について知りたい人は、『資産運用の図解教室18章』を読んでね。)

2018年10月2日 日経平均株価 24,448.07円
          ↓ ( ※ 約5,500円の下げ )
2018年12月26日 日経平均株価 18,948.58円

M:
先生もいっぱい資産を運用してるんでしょ? 自分の持っている株の株価が下がって悲しくないんですか? ジブンはとっても悲しいです。

B:
うむ、もちろんモネとは比べ物にならないぐらい、たくさん資産を運用しているぞ。もちろん株価が下がっている銘柄もたくさんある。

でもワシはあまり動じないようにしているぞ。投資で大切なことの一つは「どう気持ちを持つか?」ってことだ。

M:
え、先生は資産が目減りしていても悲しくないんですか。ジブンは先生と違って繊細だからなぁ、不安で不安で…、毎日心配です。

B:
うむ、そう悩むモネの気持ちもわからんでもない。ワシも若い頃は、株価の上がり下がりに、日々一喜一憂していたからな。

具体的に何に悩んでいるか、ちょっと話してみなさい。

M:
はい、ジブンは色々な資産運用をしているんですけど、その中の一つがジブンの好きなテーマを選んで投資ができる、フォリオのサービス「テーマ投資」です。

でもジブンが運用している「サイバーセキュリティ」のテーマが、ここ最近マイナス続きで、このままどうなってしまうんだろう? って不安で…。

B:
ほほう、グラフを見てみると、確かにモネの気持ちもわからんでもないな。このグラフの黄色い線を見ると、ここ1週間、ここ1ヶ月、ここ1年で下がっているね〜。


ここ1週間


ここ1ヶ月


ここ1年

M:
そうなんですよ先生。これを見ていると、ジブンの資産がどんどん減っている気分になってしまって、なんだか悲しくなってしまうんです。

B:
うむうむ、そんな気持ちになるのも無理はない。

資産運用をしていると、自分の資産が色々なことが原因で増えたり減ったりするものだ。

国際情勢や政治家のちょっとした一言、会社の調子やその時の気候なんかも影響するからな。

M:
はい、先生から何度も「投資にはリターンもあればリスクもある」「最終的には自分で判断する」と教わっていたのですが、いざやってみてこういう状況になると不安です。このモヤモヤした気持ちは、どうしたらいいんですか?

大事なのは「視点」

B:
そうだな、一つ言えることは、「視点を変えてみる」ってことだな。

M:
え? 視点を変える? ですか?どういうこと?

B:
そうだな〜。さっきモネが、ずっと下がっているって悩んでいたグラフ、もう少し長い目で見てみようじゃないか、って話だ。

ここ1週間、ここ1ヶ月、ここ1年では下がっていたけれど、「ここ3年」では下のようになっているよね。

ここ3年

※これは2018年12月26日付、フォリオのテーマ「サイバーセキュリティー」バランス型の画像です。

M:
あれ、黄色い線が上がってますね。1週間や1ヶ月、1年では下がっていたのに、3年で見ると上がってる!

B:
そうなんだ。ワシが言いたいのは、短い期間で下がっていても、長い目で見ると必ずしもそうとは言えない場合がある、ということだ。


間違ってはいけないのは、長期間で見れば、必ず上がるってことではないからな。

「投資にはどんな場合でもリスクがある」ってことは変わらないから、忘れちゃいけない。

M:
なるほど〜、ついついジブンは、毎日の株価に一喜一憂してたけど、「長い目で見る」という考えを持てば、少し気持ちがラクになりますね。

B:
うむ、株式市場というのは、長い目で見ることも大切なんだな。

ワシは、株式市場というものは、長期的な目線で考えると、経済の成長に伴い上昇していくものだ、と考えているよ。

確かに時には、不安なことや心配なことで混乱して、経済が調子よく前に進まないこともあるだろう。

でも世界中のあちこちで、たくさんの人々が「成長しよう、今よりいい世の中にしよう」と思い行動する限り、経済は成長していくと思っているよ。

なんで今株価が下がっているの?

M:
へぇ〜、ジブンも先生を見習って、そういう気持ちで投資に向き合うことにします。

ところで先生、余談なんですけど、なんで今って、こんなに株の値段が下がっているんですか? わかりやすく教えてください。

B:
そうだな〜、今の日本の株価が軒並み下がっているのは、アメリカの市場が大きく下がっていることに関係しているな。

前に「日本の株価とアメリカの株価は密接な関係がある」て話をしたね。(詳しくは「資産運用の図解教室18章を参照」)

今アメリカの市場が下落している背景には、色々な原因があるんだけれど、平たく言うと以下のようなことがあったんだ。

① 投資家たちが、アメリカの政治や「国の予算の計画」に対して、不安になっている。
② アメリカと中国が、貿易において争いあっていて対立している。
③ 世界の経済を引っ張っているアメリカの景気が悪くなりそうだ、と投資家たちが心配している。
④ イギリスが「EU(ヨーロッパ連合)から抜けます!」と宣言してヨーロッパが混乱するかもしれない、と投資家たちが心配している。
⑤ 中国の経済も悪くなりそう、と投資家たちが心配しはじめている。

自分が運用している資産が落ち込み不安になっていたモネだったが、ブルベア先生から「長い目で見る」というマインドを教わり、少しは気持ちがラクになったようだ。

そしてこの世の中の人々が、いい商品やサービスを生み出そうと努力し続ける限り、経済は成長していくことも知ったのであった。

※ 後編はこちら
※『資産運用の図解教室』 全20章 目次はこちらへ


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