「賭けること」と人類の進化 【カジノにまつわるコラム】
当コラムは、国際カジノ研究所所長・木曽崇氏のインタビューに同行したFOLIOスタッフが綴る取材後記です。今回、言葉を紡ぐのは、FOLIO投資戦略部に籍を置く出本勇貴です。人間にとってカジノとは、一体なんなのでしょうか?
出本勇貴/
慶應義塾大学理工学研究科卒業。大和証券SMBC(現大和証券)に入社後、一貫してエクイティデリバティブのトレーディングに10年間従事。オプションや仕組債などのプライシングから売買に携わる。現職では、投資戦略部に所属し、テーマ投資における定性分析と定量分析を繋ぐ役割を担う。
文/出本勇貴
カジノ、ついに日本へ
カジノが日本にやってくる。想像すると、少し胸が高鳴るのを感じた。
幼少期に、ゲームセンターのスロットマシンで初めて当たりが出た時の朧げな記憶を思い出したからだ。
同時に、なぜ今カジノなのかという素朴な疑問も浮かんだ。
「IR法案が国会で成立するには、強くて安定した政権であることが必要です」と国際カジノ研究所の木曽所長は話す。
現政権になるまでは、首相が毎年変わるような不安定さを露呈していた日本が、今は世界の先進国を見渡してみても、これほど安定した政権は他には見られない。
そんな条件も整ったこともあり、2018年7月にIR実施法案は可決された。日本へのカジノ誘致は、20年近く前に石原都政のお台場カジノ構想がきっかけとして現在に至る。
「賭け」をしながら生きる存在
長い年月をかけてまで実現させたいカジノの魅力とは。多くのお金が集まるからなのか、ギャンブルという特性がそうさせるのか。
恐らくであるが、人間は「賭ける」という行為に先天的な感覚を持ち合わせているのではないかと思う。
実際、私たちは日常様々な「賭け」をしながら生きている存在である。
明日の天気予報が雨だから今日のうちに洗濯しようとすることや渋滞している道路で迂回路を見つける行為などは、少なからずある種の賭けではないか。
私たちは、未来を予想し、次の行動を選択している。
DNAの中にある賭けに勝つ喜び
古代の人類もあらゆる賭けに依存して、生存を図ってきた。
賭けることは、人間の知能の発達に伴う必然的な特性であり、それなくしては、人類の進化は無かったと思われる。
つまり、私たちのDNAの中には、未来を予想し、予想にもとづいて賭けを行い、その賭けに勝つことによって成果を得る喜びが刻み込まれているはずである。
そのような前提に立てば、日本のカジノ実現は、人間のギャンブルを元来好む性質によるものが一番の理由と解釈しても良いのではないかと思う。
何はともあれ、日本にカジノが誕生したら、一度は訪れてみたい。幼き頃のワクワクを再び味わうために。
※ 国際カジノ研究所所長・木曽崇インタビューはこちらでお読みいただけます
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