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第2回 『FOUND』編集長 鈴木隆文|なぜぼくたちは、メディアをはじめるのか?

お金と社会のメディア『FOUND』の編集長が、これから読者のみなさんに届けるコンテンツとメディアに対しての想いを語ります。これから、はじめられるこのメディア、どんな風に育てていくつもりなののでしょうか?

出発点

こんなメディアがあったなら、素敵だと思うのです。

私たちの暮らしに対して、社会に対して、世界に対して、眼が開かされていくメディア。視野が広がり、感覚が深まり、認識が変わり、感情や思考が触発されるメディア。生きていくことが楽しくなる。生活することにワクワクが生まれるメディア。生の声、活きた情報、想いのこもったストーリーが語られ、紡がれていくメディア。

とあるメディアにそんなコンテンツばかりが載せられていたのなら…。それって素敵だなぁ、と思うのです。

はじめまして

はじめまして。私、編集長をつとめさせていただく鈴木隆文と申します。これから、みなさんとともに新しいメディアをはじめます。

先に書き連ねさせていただいた言葉は、私が『FOUND』の出発点に置きたいと考えているものです。

今回、「なぜ、ぼくたちはメディアをはじめるのか?」の第1回のCEO甲斐の原稿につづき、第2回の原稿を書かせていただくことになりました。ここでは、「メディアをはじめる心得」のようなものを書き残させていただきます。

私は、出版やウェブの世界で、編集・執筆のプロジェクトに従事しながら、20年あまりの間、いろいろなストーリーづくり、コンテンツづくりに携わってきました。紙のメディアの繁栄、没落から、デジタルメディアの隆盛まで、多少なりとも見てきたつもりです。今、世の中では、色々なメディア論が語られていますが、21世紀のメディアには、まだまだ大きな可能性がある。私はそう強く信じている人間です。だから、このメディアには、大きな夢と希望を見ています。

どんなメディア

これからはじまるこのメディアは、金融機関、オンライン証券会社のFOLIOが母体となるメディアです。

メディアの名前は、『FOUND』。ここには、「発見!」「見つけた!」という、ワクワクへの想いが込められています。焦点を当てるテーマは2つ、「お金のこと」「社会のこと」になります。

なぜ主な2つのテーマが「お金のこと」と「社会のこと」なのか? それには理由があります。1つは、ビジネスサイドの理由です。そしてもう1つは、純粋な好奇心、探究心としての理由です。

ユーザーの立体的な体験のために

ビジネスサイドの理由は、ここで読者に明かさないのはフェアではないと思うので、言明しておきたいと思います。FOLIOでは、「テーマ投資」という新しい形の投資サービスを提案しています。このサービスに関わる知識や知恵をユーザーに共有することで、より興味を持って、立体的にサービスを体験してもらいたい。

そのためには、情報を客観的な視点から扱ったコンテンツがあれば、より楽しい体験になる。そう考えました。その結果、たどり着いたのが、FOLIOのサービスに関わりのある「お金」と「社会」というテーマだったわけです。

ニンゲンの生活を変える知恵

そしてもう一方の理由は、好奇心、探究心からの理由です。「お金」と「社会」の2つのテーマは、ともすると敬遠されがちな言葉です。でも、よくよく考えてみると、これら2つのテーマは、私たちの生活に根深く関わっているものです。

日々を支える交換価値が「お金」というものだとするならば、「お金」のことを知らなければ、暮らしや生活は楽しいものにはならず、それどころか危ういものになってしまいます。同時に、人々が暮らしていくために起こる、あらゆるアクションが「社会」だとすれば、「社会」というものを知らなければ、明日を生きることに希望を持てず不安になるはずです。

つまり、「お金のこと」も「社会のこと」も、私たちは、どちらも「生活の知恵」として「知っていたい」と心のどこかで願っているのではないでしょうか。だから、「お金」と「社会」というテーマは、ピュアな好奇心と探究心を胸に深く掘り下げていったのなら、その先にたどり着くのは、きっと「多くの人と共有できる情報」「ニンゲンの生活を変える知恵」なのではないかと思うのです。

コンテンツをどう表現するか?

「お金」と「社会」、この2つのテーマを表現する方法は、無数にあります。実際のところ、世の中には、それらのテーマを含めて、ありとあらゆるコンテンツが溢れています。

でも、今、巷に溢れるコンテンツは、消費するため、消費されるために「流されている情報」という側面がどうしても目についてしまいます。流す側も、受け取る側も、そこにある情報に対して、「想いを込める」「想いを汲み取る」ということが、しづらくなっているように感じます。それは、ビジネスの仕組み上、「想い」などという「ぼんやり、ふんわり」としたものは、なかなか認めづらいということもあるのでしょう。でも、やっぱり一読者としての自分に立ち返れば、メディア、そしてコンテンツには、強い「想い」が込められていて欲しい。そう思うわけです。

「想いが感じられるメディア、想いが汲み取れるコンテンツ」。

『FOUND』は、そういうメディアでありたいし、そういうコンテンツを発信していきたい。

知っときたいナ、をおもしろく

「お金」や「社会」に関わる話には、私たちが知っておきたいことが多くあります。でも問題は、それらの「知っておきたいこと」が、とっつきにくい形で難解に語られていることが多い、という点にあるのではないでしょうか。知っておきたいけれど、難しくて今いち理解できない。あるいは、不慣れな専門用語ばかりが並べられていて、読み進められない。

皆さんの胸の内にも、「お金のこと」「社会のこと」で「知っておきたい」ことは、たくさんあるはずです。だから、それらの「知っておきたい」を「おもしろく」「わかりやすく」伝えられたなら、きっと「記号のようだった、社会の事柄」が「色彩を帯びた立体的な自分ごとの事柄」に変わる。その結果、読者の生活や人生に変化が与えられるはず…。

『FOUND』編集部では、そう信じて、メディアという船を出そうとしています。

ワクワクする冒険、人に出会い続ける船

もう1つ『FOUND』編集部が考えていることがあります。それは、このメディアづくり、コンテンツづくりの、ワクワクする冒険を通じて、「知恵ある人との繋がり」を大切にするということです。

もし『 FOUND』を一艘の船に例えるのなら、私たちは、その船を操縦して、海を渡り色々な港に着岸して、多様な人々に会うことのできる。そして、人と繋がることで、知識、知恵を深めて、さらなる冒険の旅へのビジョンを膨らませることができる。

理由は、シンプルです。人にこそ「想いと情報」が集約されているからです。それらを人は「知恵」と呼ぶのかもしれません。「知恵」があれば、冒険に必要な勇気が沸いてきて、次の一歩が踏み出せる、そう思います。

「知恵ある人」と出会ってゆく。このことは、多くの読者にとって、興味や関心、好奇心を刺激する中心的なエッセンスになるのだと思います。

『FOUND』は、宝物を探しに冒険に出かけて、人に出会って、また次の冒険への計画を練る船のような存在に育てたい。航海は予想外のことも起こりうる。それでも、「人に出会っていくメディア」ということの針路はぶらさない。このことは、読者の皆さんに、是非知っておいて欲しいことです。

やっぱり、「人こそが本当の情報」という想いがあるのです。

読者の皆さんとともに

いくつかの考えを書き連ねましたが、『FOUND』はまだ生まれたてのメディアです。これからどんな道筋をたどるのか? それは、私たちにもハッキリとはわかりません。でも、ここに書かせていただいたことは、編集チームである私たち自身が「初心の心得」として胸に刻んでおきたいことでもあります。

大切なのは、等身大の言葉を紡いだ、手触り感のある、生の声(第一次情報)を尊重したコンテンツをつくっていくこと。より良い未来の社会像を探って、次代を生きる人たちに意義深いコンテンツをつくっていくこと。そして、そんな素敵なコンテンツばかりが集まるメディアに育てていくことです。

もちろん、時にピントがあってないことも、上手くいかないこともあると思います。けれど、「想いを込める」「人と繋がる」を柱として、読者のみなさんとともにあり続けて、ともに成長していけたのなら、必ず良いメディアに育っていく、と信じています。

こんなところが、私が『FOUND』に込める想いです。

読者のみなさん、どうぞこの『FOUND』を宜しくお願いします!

そして、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ここから先は、またコンテンツの中で、ストーリーの中でお会いしましょう。