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第0章 お金を増やす、ということ |資産運用の図解教室

お金の先生に教わるお金のこと

—— 地球と全てがそっくりな、カネヤン星。しかし1つ異なることがある。それは、人間の他に少し風変りな知的生命体もいる、ということ。

この星にある日本という国に暮らす知的生命体、モネは、「お金なんかに走ってたまるか!お金で愛や夢が買えるのか!」という想いがありながらも、「ああ、お金ないなぁ。お金あったらなぁ。将来、大丈夫かなぁ 。」といつもお金のことを考えてしまう心配性さん。

今日もモネは、将来の夢に想いを馳せようと、木陰で体育座り をするのだが、思い浮かぶのはお金の心配ばかりなのであった。

そこにこつ然と姿を現したのが、お金のことなら、たいがいのことは知っていると豪語する不思議な知的生命体、ブルベア先生。

なんでも、かつては、世界を股にかけて株やら債券やらの売買をしていたやり手のトレーダーだったそうな…。

モネは、偶然出会ったこのブルベア先生に運命を感じ、彼の話に耳を傾けてみることにしたのであった。

B:
なんだなんだ。お前は、お金のことに悩んでいるのか。そんなことなら簡単なことだ。「お金を増やす」について真剣に考えてみたらいいだけだよ。

—— 突然、そんな当り前のことを言われたモネは、やはり頭を悩ますばかりなのであった…。

M:
「お金を増やす」って言われても、どうやって増やしたらいいんだろう?
毎月もらっているお給料は同じだし ……お金を増やす方法で思いつくことと言えば、

1) 残業して残業代を稼ぐ?

2) 休みの日や空いた時間で副業をする?

3) ネットオークションで要らないものを売る?

4) 銀行に貯金して増やす?

5) パチンコ、競馬など、ギャンブルで一攫千金を狙う ?

6) 株とかFXの勉強をしてみる?

M:
「お金を増やす」方法を考えてみても、目一杯考えて、自分の頭じゃ、これくらいが限界です。

B:
うむ。なかなかイイ線いっているね。あとは、この中のどれかを真剣に考えてみるといい。うむうむ。

M:
簡単に言いますけど、それが難しいんですってば…。

だって、「お金の増やしかた」を知ろうと思っても、お金の専門家と呼ばれる「エコノミーなんちゃら」とか「フィナンシャルなんちゃら」という肩書きを持つ人たちの言ってることは、「使っている言葉が意味不明」「長ったらしい」というものばかりでは理解できません、


それに、ネットのビジネスで1発当てている人の体験談を聞いても、「自分には関係のない話」だと思っちゃう。

かといって、1円単位まで徹底的に節約して、貯金を増やしているカリスマ主婦みたいなこともできないし……。

日本人はなぜお金が苦手なの?

M:
おまけに自分の暮らす日本という国では、昔から人々のDNAの中に「清貧が美しい」「お金に執着するのは卑しいこと」的な思考が組み込まれているみたいで…。

B:
まあ、最近は、だいぶ変わってきてはいるがなぁ。たしかに古くからの慣習は、しつこく残っている面もあるからな。

モネ、ずばり、お前の悩みはこういうことだろう。その日本という国 では、「お金を増やす」とか「お金を稼ぐ」っていう話は、あんまり普段の会話じゃしちゃダメっていうか、触れちゃいけないこと、みたいな空気をときどき感じることがある。

たとえば、子どもがお年玉をもらったとしても、パパもママも「貯金しなさい!」と言っているのは聞くけど、「増やしなさい!」と言っているのは聞かない。

そして、お金に関する情報を得ようとする人も、お金の情報の発信主も、「意地汚い」「怪しげ」とネガティブなレッテルを貼られてしまいがちだ…。だから、ついつい「お金なんて!」と、逃げに走る。

すると、ますますお金のことを真剣に考えない。すると今度は、ますますお金のことがわからなくなる…。

M:
そう、そうなんです。す、すごい。完全に心が見透かされている…。

B:
お金のことがわからなくなるだけならいいが、お金が原因で困るので困らされるのは考えものだ。お金は人生には必要不可欠なものだからな。

毎日の生活にお金がかかるのはもちろん、急な病気やケガにもお金はかかる。冠婚葬祭があれば、ご祝儀やお香典にもお金がかかる。

家を買うかもしれないし、老後だって、国からいくら年金がもらえるかもわからない。そう考えると、やはりお金のことについては、ちゃんと考えなければいけないということがわかってくる。

M:
ブルベア先生…、ほ、本当にそうなんです。まさに、ジブンが木陰で悩んでいたのは、そういうことだったんです。

この際だから、ひとつストレートに相談させてください。

自分の人生、お金でに困ったることにならないようにしたいんです! 
どうしたらお金って増やせるのでしょうか? 

お金のことに詳しいブルベア先生なら、お金のヒミツを!裏技を!おすすめの方法を知っているんじゃないですか!?

B:
うむうむ。まあ、あせるんじゃない。お金を増やすということは、極めてシンプルなことなんだ。ヒミツや裏技なんて、必殺技みたいなものはないんじゃけどな。

お金を増やすために一番大切なこと

B:
よし、じゃあ、ここらで復習がてらのクイズだ。お金を増やす上で、一番大切なことがある、それは何だかわかるかな?

M:
ええと、何だったっけ。あ、さっき言っていたのは、「お金を増やしたい」と真剣に考えること、じゃなかったでしたっけ…。

B:
えらいぞ、よく覚えていたな。でも、この簡単なことがとても大切なんだ。特に、お金の話をしたがらない日本人にとってはな。

まず、最初の一歩で「お金を増やしたい」と思わない限り、何も変わりはしないからな。

① 想いを持つ=「お金を増やしたい」と真剣に考える

② 行動に移す=「お金を増やす努力」をする

③ 未来を変える=「お金が増えはじめる」が現実になる


M:
うーん。わかるんだけど、今ひとつピンとこないんだよなぁ。

お金を増やす秘策のようなものじゃないのかぁ。

B:
残念じゃったな。そういう秘策みたいなことではない。でも、きっとお前にとっては、「はじめて!」となるお金の増やしかただと思う。それを教えてやれないことはないぞ。

お金を増やす、たった3つの方法

B:
「お金を増やす」という目的を達するためには、基本的には、3つの方法しかない。その3つというのが、次の通りだ。

お金を増やす方法その1:「入ってくるお金」を増やす=稼ぐ

お金を増やす方法その2: 「出ていくお金」を減らす=節約する

お金を増やす方法その3: 「お金に働いてもらう」=運用する

M:
ブルベア先生、1番目と2番目はわかります。稼ぐには一生懸命働いて、たくさんの仕事をこなしたり、出世すればいいんですよね。

それで、節約するのは、食べたいものを我慢したり、家賃の安いところに住んだり、無駄遣いをやめる、ってことでしょ。

でもね、3番目の「運用する」って、これは、一体なんでしょう? お金に働いてもらう?って、どういう意味ですか。「運用する」って言葉、聞いたことあるけど、ぜんぜんわからないや。

B:
うむうむ。いいポイントに引っかかってくれたな。まさに、この3つ目こそが、私がお前に伝えたいと思っていることだ。


「お金に働いてもらう」というのは、もう少し詳しく言うと、「資金を投資して、お金に働いてもらう」ってことだ。そしてこれは、「資産運用」とも呼ばれてもいる。えっ、ジブンには資産なんてない? 

うほほほ。心配することはない。次章以降、ひとつひとつ、詳しく教えてやることにしよう。


—— ブルベア先生との運命的な出会いをしてしまったモネ。禅問答のような問いかけを受け、考えを絞りながらも、「お金に働いてもらう」という言葉が妙に気になってしまうのだった。

もっと続きを聞きたい想いを胸に抱きながらも、その夜モネは、新しい学びに得も言われぬ満足感を覚えて、深い眠りへとつくのであった。

つづく

【 資産運用の図解教室 の 目次 】

第0章 お金を増やす、ということ 。
第1章 「投資」による「資産運用」って、なんだ?
第2章 投資で得られる未来?ー前編
第3章 投資で得られる未来?―後編
第4章 投資をすればお金は増えるの?
第5章 投資って、危険なの!? 〜リスクとリターンのお話
第6章 今の時代を考えると、預金?それとも投資?  
第7章 投資の種類のお話 〜前編〜 投資のいろいろ
第8章 投資の種類のお話 〜後編〜 投資のいろいろ
第9章 投資に使うお金? 余裕資金って、なんだ?
第10章 投資で「人生のお金」を設計する?
第11章ー前編 テーマを見据えて投資をする? テーマ投資・テーマ株に挑むには?
第11章ー後編 テーマを見据えて投資をする? テーマ投資・テーマ株に挑むには?
第12章 ロボットが投資のお手伝いだって?〜ロボアドのお話〜
第13章 株式投資ライフをはじめよう
第14章 株を買う・売るってどうやるのかな?
第15章 株式の銘柄とチャートってなんだろう?
第16章 自分の株式投資のスタイルについて考える
第17章 株価以外の「株の価値」?その良し悪しを見極められる指標って?
第18章 誰かの一言で、株価が動くの?
第19章 株の分散投資って、どういうこと?
第20章 資産運用って、結局のところ、まとめるとなに?

イラストレーション/浜畠かのう