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1回の外食から見えてくる世の中のしくみ

当コラムは、外食産業マーケティングの第一人者である、亜細亜大学経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科の、横川潤 教授へのインタビューに同行したFOLIOスタッフが綴る取材後記です。

今回の寄稿者は、FOLIO 投資戦略部に所属する小澤さち子。日々マーケットを見て企業分析をしている小澤は、何を感じたのでしょうか?

小澤さち子/
FOLIO投資戦略部所属。生命保険会社で資産運用業務に携わったのち、家族事情で退職。充電期間を経てFOLIOに入社。


文/小澤さち子

外食産業の発展の歴史を聞きながら、これまでに体験した外食の風景がいくつも浮かんできた。

 ほとんど外食をしない家庭で育ったので、大学生になって友達と外食する機会が増えたときには緊張した。

特に、マクドナルドのようにカフェテリア形式でオーダーをしなければならないところでは、嫌な汗をかくほど。

どうしよう、これってどうやって頼めばいいの?どういうセットがある?いくらくらいなの?必死に前の人のオーダーに聞き耳を立てたり、店員さんの頭上のメニュー表を凝視したりした。

当時の私は、ハンバーガーショップやファミレスの使い方が分からないことは「常識が足りていない」ことだと思っていて、取り繕うのに一生懸命だった。

 就職してしばらくしたころには、外食にもさすがに慣れていた。

有名チェーン店でも完璧にメニューを理解する必要はないと分かったし、高級店でなければ値段にビクビクしなくてもよくなり、安心して楽しめるようになった。

だが、そんなリラックス状態がある日から変わった。投資関係の部署に所属になり、職場でランチに行くと上司は言った。
「いいか、この部署に配属になったからには、ボケっと飯を食うんじゃないぞ。客の入り、メニュー、値段、内装や立地。この店は儲かるのか儲からないのか、考えるんだ」
「昔は、壁や机をたたいて材質チェックまでしたんだ」

ゴンゴンゴン。上司が壁をノックする音とともに、その心得は頭に刻まれた。

「生活のすべては投資につながる」

私はお店に入っては人を数えメニューを眺め、街を歩く時にもお店の看板や話題を確認するようになった。

 その後、出産をしてからは外食する機会は激減した。

特に育休を取っていたころは外出そのものが大変で、必要最低限以外に出かけることなどできないと思い込み、ご近所ばかりをうろつく日々を過ごしていた。

それでもなぜか、ある日突然勇気がわいた。街へ出かけたい、出かけよう。

久しぶりの街歩きをひと回りしたあと、私はおそるおそるおしゃれな紅茶カフェに入った。ベビーカーに嫌な顔をされないか、私はこんなところに来ていいのだろうかという気後れを、店員さんはにこやかに吹き飛ばしてくれた。

丁寧に淹れられた紅茶を飲んで、気が付いた。こういうおいしいものを口にするのは久しぶり。おいしい。私も、自分が楽しむための時間と食事を取ってもよかったんだ。

そう思い出させてくれたひとときだった。

 そんな楽しい時間、新しい出会いの時間がこれからもありますように。

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※ 外食産業マーケティングの専門家・横川潤氏のインタビューはこちらでお読みいただけます


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