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第1回 FOLIO CEO 甲斐真一郎|なぜぼくたちは、メディアをはじめるのか?

新たにはじまったオウンドメディア『FOUND』。同メディアを運営するのがオンライン証券ベンチャーのFOLIOです。同社を率いるCEOの甲斐真一郎は、当メディアにどんな想いを馳せているのでしょう?

投資、資産運用を根付かせるために

日本は先進国の中でも圧倒的に資産運用が根付いていない国だと思います。
銀行に預けていてもお金は増えない。にもかかわらず現預金は1000兆円にも上ります。

健康寿命が伸びて必要な老後資金がどんどん増える中で、いよいよ銀行に「お金を寝かせる」のではなく、資産運用をして「お金にも働いてもらう」という考え方が重要になってきていると思います。

ではどうすれば、資産運用が生活の中に根付いていくのでしょうか。答えは「生活圏と経済圏の壁」という考え方にある気がしています。

通常の金融サービスは専門用語、数字やグラフばかりで「経済圏」にいる人たちにはわかるけれど、「生活圏」に根付いていくためにはまだまだ大きな壁があるように感じます。

思ったより「生活圏」と「経済圏」の間にある壁は分厚くて高い。その事実を「経済圏」にいる証券会社そのものが気づかなければならないのではないか、と思います。

私はFOLIOという会社を創業し、できる限り「生活圏」に寄り添う金融商品を作り、金融サービスそのものを「生活圏」に寄り添った形で再構築することに心血を注いできました。

まず、提供される金融商品は小難しいものではなく、あくまで手触り感のあるもの。趣味や趣向に紐づくような金融商品。難解な分散投資や、銘柄選びはプロ任せ。お客さまは自分の好きなテーマを選ぶだけ。

気に入ったテーマをカートに入れて購入するだけで、資産運用が始まります。お客さまの体験はあくまでオンラインショッピング。

投資が生活圏に根付くためには、金融商品もサービスそのものの使い勝手も、生活に根ざしたものでなければならない。生活に寄り添わなければならない。
そして、投資や資産運用というものが生活に根付くことによって、ひとびとの生活を変えていきたい。そう考えています。

この考え方は『FOUND』というメディアにも息づいていかせたい。ここで、このメディアに込めた想いを少しだけ。

人生を変えるコンテンツ、メディア

小学生のときに、親からプレゼントされた一冊の本が僕の人生を変えました。その本は「ピタゴラスの定理」などという当時は複雑だった概念の数々をわかりやすく面白く説明してくれる算数の本でした。

この本をキッカケに私は算数や数学の世界にどっぷりはまっていくことになります。中学受験も大学受験も、社会人になっても。この時に生まれた数字への強さは活きています。

本という存在は、何かを説明するためだけのものではなくて、キッカケをつくってくれるものだとも思うのです。このことは、コンテンツにも、メディアにも当てはまる話です。

たとえば、難しい題材の説明でも、このメディアの、このコンテンツだったら楽しいし、このメディアのこのコンテンツだったら、読めるし読みたくなる。理解が容易ならぬものを直感的に理解させてくれる。難しいことをわかりやすく、面白く教えてくれる。

投資や資産運用という、一般的に難しいとされることも、社会の複雑な事象という、理解しづらいことも、僕が出会った「ピタゴラスの定理」の本のように、わかりやすく面白く学べたなら、多くの人の好奇心を刺激して、行動を起こすキッカケになると思うのです。

僕は、この新しく立ち上げられたメディアが読者の人生にキッカケを与えて、行動につながるメディアになっていったら素敵だなぁと思うのです。

金融の世界を飛び出して

僕のやっているFOLIOは証券会社です。『FOUND』はFOLIOのメディアです。しかし、必ずしも「『FOUND』は金融というものに縛られる必要はない」と思います。

あんまり関係ないものをやっても仕方ないけれど、このメディア、コンテンツが、少なくとも興味、関心、好奇心を持った人たちに響くものであったらいい、と思っているのです。

「文化」という興味とか、好奇心をかき立てるものが、金融機関から生まれる。金融機関がはじめたメディアが「文化を発信する」。

それだけではなくて、もしかしたら、「文化を創造する」のかもしれない。

想像してみてほしいんです、「日本人のみんなが、投資のこと、金融のこと、経済のことに、興味、関心、好奇心をもって理解を深めて、そこから文化が創造されていくという世界」を。

「FOLIO」というサービスが実践の場を提供し、『FOUND』というメディアが教育・文化を発信、創造する。

この両輪がまわっている状態をつくることができたら、日本に素晴らしいことを生むなのではないか? 僕がこのメディア込めた想いはそんなところです。

みなさん、新しくはじめられるこのメディア、きっとおもしろいものになりますので、どうぞよろしくお願いします。