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組織をハンドリングして人気企画を生み出す方法とは?|楽天株式会社 山岡まどか 前編

2019年4月より順次施行されている「働き方改革法案」ですが、施行されていると言いながら、働く側にとっては、まだまだ実感が湧かないというのが正直なところではないでしょうか?


働き方改革で大切なのは、マネージャーや経営陣の意識改革だと思いますが、その中でも大切なポイントの一つは、「チームとしてどう効率よく働き、成果を出すか?」です。


今回インタビューさせていただいたのは、楽天株式会社で働く山岡まどかさん。山岡さんは、みなさんご存じの楽天の超人気キャラクター「お買いものパンダ」のプロデユーサーです。

多くの部署をまたぎ、一度に10以上のプロジェクトをかろやかにこなす山岡さんは、どう組織をリードし、どうやってヒットを生み出し、世の中に価値を提供し続けているのでしょうか? 

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山岡まどか(やまおか・まどか)
楽天株式会社 プラットフォーム戦略統括部 インキュベーション部 ジェネラルマネージャー
2003年に新卒で大手情報出版会社へ入社。新規事業開発やメディアプロデュースに携わった後、 インターネット業界のスピード感と可能性に惹かれて 2010年に楽天へ入社。現在ではグループ横断のブランディングやキャラクタープロデュースを担う。

組織をまとめあげるポイントとは?

ーー山岡さん、今日はよろしくお願いします。山岡さんのお仕事は今、顧客戦略部のヴァイスゼネラルマネージャーということでよろしいでしょうか?

山岡まどか氏(以下、山岡):
「はい。最近では少し業務担当範囲が増えまして、今は顧客戦略部のヴァイスゼネラルマネージャーをやりつつ、並行して新規サービスを生み出すインキュベーション部という部署を立ち上げまして、そこのゼネラルマネージャーもやらせていただいています」

ーーということは、さらに以前よりもまたぐ部署が増えているんですか?

山岡:
「そうなのです、増えてますね(笑)。私はもともと10個ほど兼務がありまして、今回1個増えたので、10個が11個になった、という感じですね」

ーーそんなにたくさんの兼務をされているということは、組織をまとめるのも大変なのではないでしょうか? 何か意識しているポイントがあれば教えていただけますか?

山岡:
「そうですね。純粋に一つ一つの案件や各組織に使える時間が少なくなるので、究極『私がいなくても業務が回り、メンバーが自発的に動いてくれて成果が出る』という組織をどうやって作るかという仕組みづくりに注力しています。

自分自身で長時間かけて、ある仕事を推進していくというのも、担当しているプロジェクトが増えると難しくなりますので、業務が自動的に回るようになるのがベストですね」

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ーーなるほど、もう少し具体的に教えていただけませんか?

山岡:
「たとえば成果創出、人材育成、組織文化づくりなど、色々なスコープでの仕組みづくりがあります。

成果創出だと、弊社はKPI(Key Performance Indicator)*マネジメントがとてもしっかりしている会社で、その数字を伸ばすと収益や顧客満足度も伸びるという指標を特定し、その部分に目標を設定し、それを成し遂げるための施策を積み上げていきます。

そしてそれを短いPDCAサイクルで修正しつつ、進化させていっています。


また、勝てる企画をいかに最短で作るか? という部分を大切にしていますので、それを可能にする仕組みづくりに力を入れています」
(KPI……Key Performance Indicatorの略。組織が目標を達成させるために決める評価の指標のこと)

企画を立てる上で大切なポイント


ーー勝てる企画、ですか。

山岡:
「新しい企画を立てる以上、弊社の1億人を超える会員様に利用していただくという規模の企画を作ろう、という使命を抱いています。

たとえばニッチな層に受け入れられる飛び道具的な企画や、トレンドでたまたまヒットしたという企画ですと、短期間しか利用されなかったり、思った以上には規模が大きくならなかったりすることが多い。
ですから『ど真ん中の企画』を作る必要があり、そのポイントは3つあります。

①ビジネス観点:動かす顧客の規模が十分か
②マーケティング観点:顧客に選んでもらえるか
③UI・UX観点:顧客が使い続けたくなるか
(※UI=User Interface、UX=User Experience)

この3つを押さえないと、『ど真ん中の企画』を実施するのは難しいと思います。さらに言うと、これを一人の企画者が全部やるのは大変難しいことです」

ーーそれはなぜ難しいのですか?

山岡:
「一人の企画者で実行しようとすると、必ずどこかの観点に偏りが生じます。

計算上のロジックを重視しすぎたり、些細な使い勝手にこだわりすぎたりしてしまいがちです。

ですので、私の部署では『三位一体』の体制を組むことが大切だと考えています。

実際にプロジェクトをスタートする際には、ビジネス、マーケティング、UI・UXという領域ごとに推進者を1人ずつアサインし、プロジェクトのDay1から一緒に取り組んでもらいます。そうすると、自然にプロジェクトの会話の中で

『もっとユーザーの共感が得られる企画にするにはコンテンツをどう工夫すると良いかな?』
『あと3倍の売上規模にするには、どこの課題を解決すると早そうだろうか?』

などの意見が相互にどんどん出てきて、議論を重ねるうちに、私達が目指す『ど真ん中の企画』に近づいていくのです」

ーーなるほど、この記事を読まれている一般読者にとって、こういう組織での働き方のお話は具体的に語っていただくとすごくわかりやすくなると思います。

山岡さんと言えば、あの楽天の「お買いものパンダ」のプロデューサーですよね。

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「お買いものパンダ」というキャラクターが生まれ、人気が出るまでという部分にフォーカスして、組織のまとめあげ方を教えていただきたいのですが、ファンを増やすために組織で意識していた点などあれば教えてください。

山岡:
「まずは、先ほど申し上げた『三位一体』に絡むお話からさせていただきます。

『お買いものパンダ』はよく、デザイナーと私がある種のクリエイティブ的なスキルだけで実現させていると思われがちですが、きちんとビジネス企画の担当者もプロジェクトに入り、綿密に戦略を組んでいます。

たとえば、『お買いものパンダ』のTwitterアカウントをご存じですか?

ーーはいもちろんです。ほぼ毎日更新されていますよね。

山岡:
「Twitterでは基本的にキャラクターのほのぼのする日常を表現しています。

ただ、生活を楽しんで見てもらうだけではなく、『お買いものパンダ』の行動に共感してもらい、フォロワーのみなさまに真似してもらいたいという想いもあります。

というのも、『お買いものパンダ』は、楽天をよく利用する1ユーザーとして描かれています。たまに『楽天市場』で開催されるスーパーセールに参加してお買い物したり、『楽天トラベル』を使って温泉旅行に出かけたり、新しい楽天のサービスを使い始めたりします。

そんなシーンを『お買いものパンダ』の自然な日常の中で描くことで、『ああ、これって楽しそうだな。私もやってみようかな』とフォロワーのみなさまに共感していただくことにより、楽天のサービスを使っていただくことも目標の一つです。

決して押し売りにならないよう、どのタイミングでどういうサービスを訴求していくのが良いかメンバー間で議論し、それをクリエイティブとして表現していきます」

ーーなるほど、それがビジネス企画の練りどころでもあるんですね。

そもそものところ、なぜクリエイティブの部分で、キャラクターをパンダにしたんでしょうか?

山岡:
「最初は色々な動物や、動物に限らない形態を検討していたのですが、デザインでの検証やユーザー調査を経て、最終的にパンダに行き着いたという感じです。

今から思うと、日本人が大好きで、楽天会員と同じく老若男女問わず、幅広い属性のお客様に愛される動物がパンダなのだと思います」

様々なプロジェクトをまたいで管理するマネジャーという存在は、組織が回る勘所をきちんと押さえているんだな、ということを実感しました。

次回に続きます。

組織をハンドリングして人気企画を生み出す方法とは?|楽天株式会社 山岡まどか 前編
ユーザーに喜ばれるキャラ作りのヒント|楽天株式会社 山岡まどか 中編
組織で結果を出すためにこだわり続けていること|楽天株式会社 山岡まどか 後編

取材・編集/設楽幸生(FOUND編集部)

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株式会社FOLIO

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