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横山家の「家族マネー会議」を大公開!|家計再生コンサルタント・横山光昭 第3話(最終話)

最終話は、横山家で行われている「家族マネー会議」の詳細について伺いました。どのようにこの会議が始まったのかなどを深掘りしていきます。子供たちへの「お金の教育」のヒントになる要素が満載です!

横山さんプロフィール写真

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。
https://myfp.jp/

個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。
お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の問題の抜本的解決、確実な再生をめざし、個別の相談・指導に高い評価を受けている。これまでの相談件数は23,000件を突破。各種メディアへの執筆・講演も多数。著書は60万部を超える『はじめての人のための3000円投資生活』や『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は110冊、累計330万部となる。個人のお金の悩みを解決したいと奔走するファイナンシャルプランナー。

―横山家伝統の「家族マネー会議」はどういう風に始まったのですか?

はじめは夫婦でお金の話をしていたんですね。今月の収入や支出について確認していたんです。今月の会社の売上はいくらだ、食費は、教育費は、保険料は、などなど。そうしているうちに、長女が小学2年生の時、夫婦が話していることに興味があったみたいで口出しをしてきたのがきっかけでした。子供は些細なことにも疑問に思ったり、数百円でも大事にする価値観があるので、我々も学ぶところも多かったですね。

家族で旅行などの共通目標を話し合って決めて、それに向けて楽しくコツコツと貯蓄するのは、子供たちにとっても良い学びになっているのではないかと思います。ケチケチするために貯蓄するのではなく、何かの目標に向かってポジティブな意味で貯蓄するということが自然に見に付いてきているようです。

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―本当に素晴らしい取り組みですね!家族マネー会議の予想外の効果はありますか?

多感な時期の子供たちと、月1回はきちんとコミュニケーションをとれることですね。月1回は最優先事項として参加を約束してもらっています。それぞれの今の目標は何か、課題は何かということを共有し合える時間を持てるのは本当に有意義ですよ。

あと、幼少期からお金のことについて考えさせると、ケチになっていくのかなという懸念があったのですが、それがそうでもないようなのです。東日本大震災のときに、子供たちがかなりの金額(家族全員で旅行に行けるほどの金額)を寄付しようと言ってきたのには感激しました。「使うべきときに、使うべきところにはしっかり使おう」ということを自然に学んだようなんです。

私は家族というのは「横山株式会社」だと考えていて、子供達はみんな社員なんです。だから、小学生であっても、社員として会社にとって大切なお金の話の場には参加してもらうわけです。また、「横山株式会社」として透明性は重要と考えているので、私の給料はすべて子供達に開示しています。そういうご家庭は非常に少ないと思いますが、そのほうが各自がちゃんと自分の頭で収入と支出について考えるようになるんですよ。子供達に「今月のパパの収入は少ないね。講演が少なかったからだね。ニーズが減ってるのかな?来月は大丈夫そうなの?」と心配されるくらいです(笑)。

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家庭の収入状況を把握したうえで、自分が欲しいものや、やりたいことがある場合は、家族の前でプレゼンしてもらうようにしています。そこで家族の承認が得られれば、晴れて購入することや、やらせてもらえることが決定します。こういうことを続けていると、面白いことに、兄弟姉妹で「根回し」を覚えるようになるんです(笑)。「この間は賛成したんだから、今回の議案には賛成してよね!」など(笑)。そういうのも大事な社会勉強だと思いますし、まさに生きる知恵そのものだと思いますね。

―子供達にそこまで情報開示しているのには驚きました!家族間でコミュニケーションがしっかりとれている様子が良く分かりますね。最近だと夫婦間ですらコミュニケーションが取れないことが問題になっているなか、すごいことだと思います。

夫婦間や家族間のコミュニケーション不足の問題は深刻かつ重要な問題だと思います。夫婦の人生のベクトルがバラバラだと、長期的な人生の目標を達成することはなかなか難しいのではないかと思います。「夫婦なんだからすべて阿吽の呼吸で分かるよね?」では通じないですよね。夫婦であっても他人なんですから。お互いがどこを目指して動いているのかというのを共有しておかないと、相手のことがどんどん分からなくなってしまいますし、突然大きな決断を言われたら相手もビックリするものです。

ところで、夫婦共働きの「パワーカップル」が当たり前になってきて、「別財布夫婦」もどんどん増えているようですが、一般的傾向としてはこういう夫婦のほうがお金は貯まらないんですよ。お互いが「相手はちゃんとお金の管理はやっているだろう」と期待しているからなんだと思います。夫婦間でも相手の多額の借金の存在を知らなかったということもある時代です。コミュニケーションが本当に重要になってくるわけですね。

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―夫婦といえども、意識してしっかりとコミュニケーションをとることは重要なわけですね!最後にメッセージをお願いします!

投資嫌いな日本人はまだまだ多いですが、投資についてはせめて実際にやってみてから「嫌い」と言って欲しいと思います。食わず嫌いがあまりにも多いです。投資は難しいと思われていますが、最低限のことをきちんと知っておけば怖いということはないはずです。投資の世界で知るべきことなんて、全部で100個くらいあるとすると、本当に知らないといけない、抑えておくべきことなんて10個もないと思うんですよね。長期投資、分散投資、積立投資、コスト管理の重要性を理解したり、「コア・サテライト戦略」を外さないことです。投資を通じて、今まで分からなかったことが理解できるようになること、そして新しいことがどんどん学べるのは、とても楽しい体験だと思いますよ。

―本日は貴重なお話をありがとうございました!

【編集者の感想】
横山さんが子供達に給料もすべて公開していることには本当に驚きました。しかし、子供は子供扱いしなければ立派に物事を判断できるのかもしれません。また、会議を通じてプレゼン(伝える)技術や根回しなど生きた知恵をどんどん吸収しているのは本当に逞しい限りです。「家族マネー会議」の存在を知って、早速我が家でも実践してみようと思った取材となりました!(おわり)
家計再生コンサルタント・横山光昭
【第1話】お金と真剣に向き合うには”ジブンゴト化”が必要
【第2話】人生の”ゴール”が分からないと最適ルートはアドバイスできない
【第3話】横山家の「家族マネー会議」を大公開!

※取材・文・編集/野水瑛介(FOUND編集部)、写真/荻原美津雄

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