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第15章 株式の銘柄とチャートってなんだろう?

株を売買する仕組みを理解したモネ。

だからといって、
「どの会社の株を買うのが良いのか?」
「何を基準に買うべきなのか?」
については、全然わからない。

ふと、公園のベンチの隣に座っていたおじさんに目をやると、彼はタブレットに映し出されたものを真剣にのぞき込んでいた。

何だろう?と近づくと、視線の先には、グラフのようなものが見えた…。「あ、これ、もしかしたら、株に関係あるやつだ…」

ここにヒントが隠されているのかもしれない、と直感したモネは、またまたブルベア先生を訪ねるのであった。


株を選ぶうえで気にするべきポイントは?


M:
株の買い方はわかったのですが、どうやって買う株を選べばよいのか、途方に暮れちゃいます。

選ぶ基準になるようなものは、あるんでしょうか?

B:
株式市場には、いろいろな会社の株が売り買いされている。そして証券取引所で売買されている会社の株式のことを「銘柄」と呼ぶんだ。

そしてその銘柄には、「銘柄コード」と呼ばれる数字がついていて、銘柄コードでも注文ができる。

まず、株式投資でとても大切なことは、「業績のいい会社(銘柄)の株を探す、いい会社(銘柄)の株を安く買う」ということだ。

M:
なるほど!いい評判の会社とか、これから業績が上がりそうな会社の情報なんかを、ネットのニュースや新聞などでチェックするわけですね。

でも、「業績のいい会社の株を安く買う」って、言うのは簡単だけど、実際は難しそうだなぁ。

B:
確かに、モネの言う通りだ。

そんなことを言われたときのために、いい会社選びをするための2つの大まかなやり方を教えてやろう。

1つ目の方法は、企業の本質的な価値に着目する方法だ。このやり方では、複数の条件を見ていくんだ。

「経済の状況や社会の状況はどうかな?」という広い視野で見たり、「企業の業績や財務状況はどうかな?」という狭い視野で見たりする。

ちなみに、こちらは投資の世界では、ファンダメンタル分析と呼ばれている。

そして2つ目の方法は、「チャート」というものを読むことで、変動する株価や、売買高などの需要と供給や、投資する人たちの行動パターンに着目する方法だ。

この方法は、テクニカル分析とも呼ばれている。


M:
先生、チャートってなんですか?

B:
チャートというのは、あのベンチのおじさんが眺めていたやつだよ。

M:
あー!あれのことか!

B:
この2つのやり方を活用することで、
「収益をより大きくする、損失をより低くおさえる」
ことを目指していくというわけだ。

つまり、企業価値を見極めて、チャートを観察することが、投資をして資産を増やしていくことに役立つんだ。

M:
なんとなくわかりました!でも、ファンダメンタル分析とテクニカル分析って…。なんだか、とっつきにくい名前だなぁ。

B:
よし!それでは、もう少し具体的に説明しておいてやろう。

その1:市場の評価や業界の動向などを見て、企業価値を探る「ファンダメンタル分析」とは?

会社の財務情報(会社のお財布具合がどうなっているか)や、資産価値(市場から見てどのぐらいその会社が価値があるか)、収益性(どのぐらい稼ぐ力を持っているか)やその業界が今後どう推移するのかを見る。

そのために参考になるのが「会社四季報」(発行・東洋経済新報社)などの資料だ。

また、配当金で見る、というのもいい。会社の利益を株主に還元するのが配当金。配当金を毎年増配( 配当金を増やす事)しているのであれば、その会社は毎年業績を上げている可能性があるということにもなる。

同じく、業績悪化が理由で減配( 配当金を減らす事)という動きも見られるかもしれない。

つまり配当金の推移から背景を想像できるということになるんだ。企業価値の本質を探る手法を「ファンダメンタル分析」という。

その2:株価の推移を見るために、チャートを読む「テクニカル分析」とは?

ニュースで流される「今日は株が高かったなぁ(安かったなぁ)」という情報からは2種類のことが読み取れる。

1つ目は、「その日の株式市場が全体的に高かった、つまり日経平均株価などが高かった」という情報。

そして、2つ目は、「自分が所有している会社の株が高かった」という情報だ。

全体を見ると同時に、会社の株価が、過去と比べて今は上がっているのか下がっているかを把握することで、成長性などが判断できる。この手法は、「テクニカル分析」という。

B:
どうだ。詳しく説明したからイメージはついたはずだぞ。

M:
はい。でもやっぱり、会社四季報を読んだり、チャートを読んだりするのは、少しずつ慣れていかないと、いきなりはハードル高いですね。

もっと簡単に株選びができる方法って、ないんでしょうか?

B:
それでは、こういうのは、どうだ。もっと感覚的に、直感的に銘柄を選ぶやり方だ。

その3:直感力、想像力で投資する?

その会社の商品やサービスの情報を見て、会社が、どんなサービスや商品や技術を展開しようとしているかを観察する。

例としては、その業界や社会にとって、革新的な商品がリリースされることで、その商品が爆発的に売れて、株価の上昇につながる可能性を想定できる。

また、一消費者の感覚で見る、というのも手だな。その会社のサービスや商品や技術を、1人の消費者の目線で見て、その良し悪しを判断の材料にする。

たとえば食品メーカーの株購入を検討しているのであれば、実際にスーパーに行ってその会社の新商品を買って食べてみて、ヒット商品になりうるかを自分の感覚で見極めてみるとかだな。

M:
なるほど、これはいいなぁ。「消費者感覚で見る」ということなら、今日からでもできそうだ。試食をいただくの大好きだし。

株価チャートの基本 

M:
株をやっている人がよく、グラフみたいな、線と棒でできたような図を真剣に見ていますよね。

あれが「チャート」だってことは分かったんですけど、読み方を教えてくれませんか?

さっき、テクニカル分析とかいう、これまた難しい単語が出てきましたけど…。


B:
「株価チャート」を読めるようになりたい、と思ったわけだな。

この株価チャートは、「いい株を安く買って、高く売る」のに、どういうタイミングで売買すればいいかのヒントになるんだ。


株価チャートが読めるようになると、「今その株を買うタイミングなのか?」「待った方がいいのか?」「今売り時なのか?」「まだ売り時でないのか?」などを読み取ることができるんだ。

M:
へぇー!そんな便利なものなんだ!

B:
この株価チャートというのは、2つのパートで成立している。1つがその日(分、週、月)の株価の動きを示しているグラフ、もう1つが取引された株数を示している棒グラフだ。



上の図の上段のグラフに注目すると、ローソクのような形をした図形がたくさんあるだろ?この1本ずつを「ローソク足」と呼ぶ。

上にある株価チャートの場合は、この「ローソク足」1本でその株の1週間の動きを表している。

だから、「週足チャート」と呼ばれる。この他にも、ローソク1本で5分の動きを示す「5分足チャート」や、1日の動きを示す「日足チャート」などがあるんだな。

M:
へぇ〜、いろいろな時間の単位で株の値段の動きが見れるってわけか。

でも、なんで「ローソク足」なんですか?棒と長方形には、どんな意味があるんだろう?


B:
ローソク足はさらに分解すると、下図のように、「ヒゲ」と「胴体」に分かれる。

そして胴体には、白いものと黒いものがあるだろ?白いものは「陽線」といい、黒いものは「陰線」というんだ。

ではまず、「陽線」の方から説明しよう。下のイラストは、日足チャート(1日で株価がどう推移したか)として見てくれ。

まず矢印がグニャグニャ動いているな。これは、「この株価が、その日取引をスタートして、取引が終わるまで、値段がどう動いたか?」を表している。

そして「安値(やすね)」「始値(はじめね)」「終値(おわりね)」「高値(たかね)」と書いてあるね。日足チャートなら「安値」はその日一番安い値段を示している。

そして「始値」はその日の最初についた株価で、「終値」はその日の最後についた株価を表し、「高値」はその日一番高くついた値段を表しているわけだ。

この「陽線」というのは、「始値」から「終値」にかけて、その株が上昇したことを示しているんだ。


M:
なんだ、結構、簡単なんだ!

ってことは、この白い四角がタテにすごーく長ければ、その株がその日でとても値段を上げたってことなんですね。黒い四角の方は何なんだろう?

B:
日足チャートで考えてみるなら、矢印がグニャグニャ動いているのは同じだな。

右側の文字の真ん中二つに注目、「陽線」では下が「始値」で上が「終値」だったけど、「陰線」では逆になっているな。

この「陰線」というのは、「始値」から「終値」にかけて、その株が下降したことを示しているんだ。さっきの「陽線」と逆なんだな。

M:
でも、この四角と棒でできたローソク足とやらが、なんで大切なんだか、いまひとつわかりません。

ローソク足の形と「トレンド」に注目! 

B:
うむうむ。

このローソク足というのは、なかなかの優れもので、いろいろなことがわかるんだ。まず最初にこの2つだ。

これは上下に「ヒゲ」がなくて、長方形が縦に長く伸びているのがわかる。

陽線の方は始値から終値にかけて、大幅に株価が上がっていることを示している。

これを「大陽線」と言うんだ。逆に陰線の方は、始値から終値にかけて大幅に下落していることを示していて、これを「大陰線」と言う。

お次はこのように、ヒゲが長いローソク足だな。

これは左側の陽線の場合は、「株価が大きく上昇したけれど、その後、下降した」ことを示していて、上のヒゲが長い形になる。

そして右側の陰線は、「株価が大きく下降したけれど、その後上昇した」ことを示していて、下のヒゲが長くなる。

またこのように胴体がなくなってしまっているローソク足は、例えば日足チャートであるならば、「その日上下に値動きしたけれど、始値と終値が同じ」ということを表しているんだな。

M:
へぇ〜。

ローソク足の形をみるだけで、株の値段がどう動いているかがわかるんですね。これ考えた人は、天才だ〜!


B:
では、次だ。

株価チャートを見る上でもう1つ大切なのは「トレンドを読む」ことだ。「トレンド」というのは、株のザックリとした動き、傾向のことだ。

長期的に上向きなのか、下向きなのかを読み解くということだな。
まずはこのチャートを見てみよう。

チャートの左側で、このように細かく上下しながらも、全体的には下がっている動きを「下降トレンド」と呼ぶ。

下降トレンドの時は、そのまま株価が下がって止まるか、トレンドが変わって上昇するかの動きに注目だ。


次に真ん中あたりで、上下しながらも横に動いているのが「横ばい」だ。

そして右側、細かく上下しながらも、全体的に上がっている動きが「上昇トレンド」だ。

上昇トレンドが発生しているときは、全体的に株価が上がっていることを示しているわけだ。

M:
なるほどー!この棒と線でできたグラフ、単なる図形なのではなく、会社の業績や社会の動きを表したものなんですね〜。

株をやっているおじさんが、必死で見ていたあのグラフが何かを知ったモネ。

また、どうやら株価の動きというものは、自分の生活とも、無関係なものではないとわかりはじめていたのであった。

コンビニに立ち寄ったモネは、お弁当と一緒に、普段は決して手に取らない日経新聞に手を伸ばすのであった。

つづく

【 資産運用の図解教室 の 目次 】

第0章 お金を増やす、ということ 。
第1章 「投資」による「資産運用」って、なんだ?
第2章 投資で得られる未来?ー前編
第3章 投資で得られる未来?―後編
第4章 投資をすればお金は増えるの?
第5章 投資って、危険なの!? 〜リスクとリターンのお話
第6章 今の時代を考えると、預金?それとも投資?  
第7章 投資の種類のお話 〜前編〜 投資のいろいろ
第8章 投資の種類のお話 〜後編〜 投資のいろいろ
第9章 投資に使うお金? 余裕資金って、なんだ?
第10章 投資で「人生のお金」を設計する?
第11章ー前編 テーマを見据えて投資をする? テーマ投資・テーマ株に挑むには?
第11章ー後編 テーマを見据えて投資をする? テーマ投資・テーマ株に挑むには?
第12章 ロボットが投資のお手伝いだって?〜ロボアドのお話〜
第13章 株式投資ライフをはじめよう
第14章 株を買う・売るってどうやるのかな?
第15章 株式の銘柄とチャートってなんだろう?
第16章 自分の株式投資のスタイルについて考える
第17章 株価以外の「株の価値」?その良し悪しを見極められる指標って?
第18章 誰かの一言で、株価が動くの?
第19章 株の分散投資って、どういうこと?
第20章 資産運用って、結局のところ、まとめるとなに?

イラストレーション/浜畠かのう

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